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2008年7月13日 (日)

新約聖書のすすめ

僕はクリスチャンではないのですが、新約聖書を読みます。

きっかけは高校生の頃(そうとう昔です)。ホームルームか何かの時間に、希望者に聖書をくれるというので、希望しました。世界史の先生が、最初のマタイの福音書のところだけでも読めば参考になる、と言っていたので。

聖書をくれたのは、日本国際ギデオン協会という、聖書をいろんなところに無償配布している財団法人です。ホテルの引き出し開けると、よく入ってますよね。

ギデオン協会の新約聖書と岩波文庫の福音書

で、今回のおすすめは、世界史の先生の受け売りになるんですが、最初の「マタイによる福音書」だけでも読んでみては、です。

聖書は1つの長い本ではなく、いろんな人が書いたものの寄せ集めです。福音書はイエスの生涯をたどりながら、その言動を紹介したもので、物語っぽい形になっています。教義がつらつらと書かれているわけではありません。

どこどこの町に行って、こんなことをして、こんなことを言って、という話なので、読みやすいです。

ただ、難点は、やはりある程度の前提知識がないと意味がとれない箇所があるということです。例えば、「人の子」というフレーズがあったらそれは、神の子=イエスという意味です。

あとは、モーセとか律法とかローマの支配とか、背景を知らないとピンとこない部分もあります。聖書の中に、「聖書に書かれている」というフレーズが出てきますが、これは旧約のほうを指しています。取税人が極悪人のように言われるのは、ローマの支配があるからです。

ただ、全体の流れが分からなくなるほどではありません。高校生にも読めました。

で、後にこれを解決してくれる本に出会いました。塚本虎二訳の福音書です。意味がとりにくい箇所には、小さい字で補足がありますし、お金の換算や単位についての補足もあり、より意味を理解できます。(経典っぽい雰囲気は薄れますが)

下に引用してみたんで、比較してみてください。

日本聖書協会発行「新約聖書」

『隣り人を愛し、敵を憎め』と言われていたことは、あなたがた聞いているところである。

しかし、わたしはあなたがたに言う。敵を愛し、迫害する者のために祈れ。

こうして、天にいますあなたがたの父の子にとなるためである。天の父は、悪い者の上にも良い者の上にも、太陽をのぼらせ、正しい者にも正しくない者にも、雨を降らして下さるからである。

あなたがたが自分を愛する者を愛したからとて、なんの報いがあろうか。そのようなことは取税人でもするではないか。

塚本虎二 訳 「新約聖書 福音書」

あなた達は昔の人がモーセから、"隣の人を愛し、"敵を憎まねばならない、と命じられたことを聞いたであろう。しかしわたしはあなた達に言う、敵を愛せよ。自分を迫害する者のために祈れ。あなた達が天の父上の子であることを示すためである。父上は悪人の上にも善人の上にも日をのぼらせ、正しい人にも正しくない人にも、雨をお降らしになるのだから。自分を愛するものを愛したからとて、何の褒美があろう。人でなしと言われるあの税金取りでも同じことをするではないか。

聖書はどこにでもあるので、いきなり買う必要はないと思います。図書館にもあるし、ホテルで読んでもいいし。

ぼくも、塚本氏の訳は最初図書館で借りて読んで、気に入ったので買いました。

ただ一つ、つっこみポイントを。。。同じ名前多すぎ!十二使徒の中に、シモンが2人、ユダが2人います。まあ、1人のシモンはペテロと呼ばれているし、イスカリオテのユダはおなじみなので混乱はしにくいですが。あと、十二使徒にヨハネがいますが、イエスに先立つ預言者のヨハネもいます。こちらはバプテスマのヨハネと呼ばれています。ややこしい。。。■

[2012年10月14日追記]
聖書に関する基本知識があると、サリンジャーの小説(例えば『フラニーとゾーイー』)だって、より楽しめちゃったりします↓
爆笑問題 太田光の人生を変えた作家J.Dサリンジャー

新約聖書 福音書 (岩波文庫)
新約聖書 福音書 (岩波文庫)

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