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2008年7月31日 (木)

参考と影響と引用と盗用(『ウケるブログ―Webで文章を“読ませる”ための100のコツ』に関して)

なんというか、こういう本を読むのはちょっと恥ずかしいのだが。

『ウケるブログ―Webで文章を“読ませる”ための100のコツ』(ISBN-13: 978-4774122588)

ウケるブログ―Webで文章を“読ませる”ための100のコツ
ウケるブログ―Webで文章を“読ませる”ための100のコツ

「必死かよっ!」って思われそうで。

図書館でタイトルに惹かれて借りました。家が狭いんで、主に図書館派です。

この本にはいろいろあったみたいで、まずは内容についての純粋な感想から。

【内容について】

ブログを多くの人に読んでもらうためにどうするか、という問いに、読みやすいもの、面白いもの、良いものを書こう、というスタンスなのは好感が持てます。

検索エンジンにひっかかりやすくする(SEO)ような話は、最後にほんの少し出てくるくらいです。

amazonのレビューを見ると、「そんなことは分かっている」的な意見もありますが、確かに基本的な内容が多いです。

ブログ固有のテクニックもありますが、句読点の打ち方、主語と述語の対応と配置、文の長さや段落のような、作文の基本技術がメインです。

あまりにも初歩的すぎる感じもしますが、いろんな読者層を想定すればこれくらいがちょうどいいとも思えます。国語の教科書みたいになったら、誰も読まないだろうし。

総じて、ざっと目を通して見てもいいんじゃないの、参考になるかもよ、という内容でした。

【流用疑惑について】

しかし、内容が『人の心を動かす文章術』(ISBN-13: 978-4794212955)に似ている部分が多いという指摘があり、問題化したようで、

技術評論者のホームページ
「ウケるブログ」について

http://www.gihyo.co.jp/book/2005/410291/

当社は,当社刊「ウケるブログ」につき,樋口裕一氏から2006年11月16日に損害賠償等請求事件(東京地方裁判所平成18年(ワ)第25688号)を提起されましたが,同事件は,2007年3月27日,東京地方裁判所において,同書籍の著者高瀬賢一氏を含め,和解が成立して終了しました.

和解が成立する前の、出版社のコメント、著者のコメント(著者HPは現在ほとんど閉鎖状態)を引用したブログがあったので、リンクをはらせてもらいます。

「ウケるブログ」が絶版&回収
http://chalow.net/2005-12-20-3.html

(著者のコメントの引用の引用)
拙著「ウケるブログ」(株式会社技術評論社 2005年1月発刊)は、さまざまな文献を参考に書き上げたものですが、中でも草思社の「人の心を動かす文章術」(樋口裕一様 著、2004年3月発刊)に強い影響を受けました。
 そういった参考文献の文章作法のアイデアを十分にかみ砕ききれず、咀嚼できていない状態で執筆した結果、多くの点で「人の心を動かす文章術」と類似してしまいました。

この本は、最初Web上の記事として書かれ、それを書籍化したという経緯があるようです。

きっと、『人の心を動かす文章術』を読んで、トピックをそこから拾いながら書いたのでしょう。『人の心~』にこんな良いことが書いてあるよ、というWeb記事だったら許されたのかもしれませんが、参考文献としてあげずに出版してしまったのは、やはり許されないですね。

「中でも草思社の『人の心を動かす文章術』(樋口裕一様 著、2004年3月発刊)に強い影響を受け」たのなら、参考図書としてあげておくべきでした。そうすれば、編集者も問題点に気づいて、ここまで大きな問題にはならなかったと思うのですが。

人の心を動かす文章術
人の心を動かす文章術

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