『これから食えなくなる魚』
タイトルに惹かれて、思わず手に取りました。ジャケ買い的な感じで。でも、図書館で借りたんで、買ってないんですけど。
これが食えなくなる、これは大丈夫、といった内容だけでなく、現代の漁業の問題点を教えてくれます。
乱獲が主な原因のようで、市場原理にまかせていると、『「たくさんいる魚」より「高く売れる魚」』が獲られてしまうそうです。
クロマグロ(本マグロ)が、その最たるもののようで、このままだとほんとに絶滅しそうな勢いです。
養殖という手があるかなと思いきや、マグロの養殖というのは、卵を孵化させて育てるというものではなく、小さいマグロを獲ってきて、大きく育てて売るというもので、養殖がさかんになれば、結局、自然の海からは小さいマグロが減ってしまうそうです。
あと、これは言われてみれば確かにそうだな、という気がするのですが、『魚は「庶民の食べ物」ではなかった』ということ。
「イワシ、カレイ、ドンコ(エゾイソアイナメ)、アイナメといった地獲りの魚」は、たしかに豊富に獲れるものだったが、今の日本人が食べたがる、マグロ、タイ、エビのようなものは、そもそもめったに食べられるものではなかったんですね。
ここ最近値上がりしているとはいえ、現代のように比較的安価に食べられる状況自体が、ちょっと特殊なようです。
実は私は、魚を特に好んで食べるということはなく、肉だけでも生きていけるタイプなので、案外平気なのですが、魚好きの人はこの本を読めば、ちょっと不安になるんじゃないでしょうか。
一消費者レベルで、買う魚、食べる魚に気をつけたところで、たかが知れているので、やはりここは大々的にこの危機的状況を周知させる必要があるんだなと思っています。
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