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2008年12月11日 (木)

携帯を持っていれば安全という勘違い

この手のニュースを見ていて思うのは、携帯が「安全」に関して、もたらしてくれる効果を過信しているのではないかということです。

大阪市教委、全小中高への携帯持ち込み禁止を通知
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/202371/

通知によると、「学習活動に必要でないものを学校へ持ち込まない」との観点で、携帯電話の持ち込みを原則禁止するよう各校に要求。その上で、小学生の登下校時の居場所確認など、安全確保のためやむを得ない場合のみ、学校長の判断で携帯電話の持ち込みを許可することにした。

子供に限らず、携帯が「安全」に役に立つこと、どれくらいあるでしょうか。

遭難して携帯で救助を求めた、監禁されたが隙を見て携帯で連絡をとったなど、の例があると思います。

しかし、被害者の持っていた携帯で犯人が写真を撮りメールを出してきた、GPS機能により犯行現場を特定できた、のように、携帯により情報を入手したときには、すでに手遅れだったという事例も多いです。

携帯により安全が確保される場合ももちろんありますが、かなりの場合、携帯は状況を知るための手段には使えても、状況を好転させる手段には使えないのではないでしょうか。

物騒な例えですが、私が犯人だとしたら、携帯を使わせる隙など与えないし、携帯を取り上げ、メールなどを使って、犯行に気付くのを遅らせることを考えるでしょう。

「今、どこどこにいるから大丈夫」とメールを打てば、警察への連絡が遅くなるかもしれません。過去の送信履歴を見れば、子供の文体の特徴も分かるし、子供についていろんな情報を得ることさえできます。

携帯で得られる安全、って当てにならないと思いませんか?

以前、何かの記事で読んだのですが、夜道で携帯で通話しながら歩いている女性が、いかに危険かという話でした。周りへの注意力が下がっているため、気づかれないように簡単に後をつけられてしまうそうです。犯人は道では襲ってこずに、会話の内容や、住んでいる建物から女性が一人暮らしだと分かると、部屋に入る瞬間を狙い、押し入ってきます。

内側から鍵を閉めてしまえば、誰も入ってきません。多少騒いだくらいで、気にして通報でもしてくれるご近所ならいいのですが、近頃はそうではないでしょう。

夜道を歩いて怖いとき、携帯で誰かと話していると、ちょっと安心できますよね。でも、それは安心できただけで、安全になったわけではないのです。

やはり、夜道はキョロキョロ、ビクビクしながら、緊張感をもって歩くのが吉なのではないかと思います。

インターネットや携帯の危険から身をまもる (シリーズ・身をまもる)
インターネットや携帯の危険から身をまもる (シリーズ・身をまもる)

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