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2009年4月17日 (金)

「フェルミ推定」ってそんなにいいかぁ?

タイトルが面白そうだったので、以下の記事を読みました。

面接で「東京都にはマンホールがいくつある?」と聞かれたら?
http://getnews.jp/archives/7098

面接で上記のような突拍子もない質問をされたときに、「知らない」「分からない」じゃなくて、確度は低くてもいいから、手元(頭の中)にある情報だけで概算の数値を答えるほうが良しとされているようです。

でもなー、どうも納得がいかないんです。上記の記事の内容にではなく、就職面接の出題としてこの手の問題が流行っている(よく使われている)という点が。

こういう推定を「フェルミ推定」というそうです。私はこの「フェルミ推定」という言葉は知らなかったのですが、問題解決力がテーマになっている本で、似たような話を読んだことがあります。

ウィキペディアによりますと、

フェルミ推定 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%9F%E6%8E%A8%E5%AE%9A

フェルミ推定(-すいてい、Fermi estimate)とは、実際に調査するのが難しいようなとらえどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算すること。

だそうです。

具体的な例としまして、

「アメリカのシカゴには何人(なんにん)のピアノの調律師がいるか?」

という質問に対しては、

   (1) シカゴの人口は300万人とする
   (2) シカゴでは、1世帯あたりの人数が平均3人程度とする
   (3) 10世帯に1台の割合でピアノの保有している世帯があるとする
   (4) ピアノの調律は平均して1年に1回行うとする
   (5) 調律師が1日に調律するピアノの台数は3つとする
   (6) 週休二日とし、調律師は年間に約250日働くとする

という仮定をして、所望の値を導いたりするらしいのですが・・・

上記を見てお分かりの通り、あからさまに精度が低そうでしょう?それぞれは数パーセントから数十パーセント程度の誤差を含んでいそうな印象です。それらの数値を掛けたり割ったりですよ。誤差がどんどん大きくなる。

この手の推論で分かる数字は、あくまでオーダーじゃないですかね。つまり、50人なのか500人なのか5000人なのかというレベルであって、30人なのか、50人なのかを推定する方法にはなりえないということです。

上記の仮定だって、(1)、(2)あたりはともかく、(3)~(6)は読みにくい数字ですよ。あくまで例題なんで、細かいことを言ってもしょうがない気もしますが、「10世帯に1台」と思うか、「20世帯に1台」と思うか。普通の家庭で年に1回も調律するかな?とか。逆に、音楽関係者ならもっと頻繁に調律するかも、とか。調律師が週休二日?専門職というのは、そんなサラリーマンみたいな働き方じゃないでしょ。もしかしたら、演奏家、楽器店なんかと兼業の人もいるかもしれないぞ。なんて考え出すと、(調べられるもの以外は)不確定な数字が多すぎて、まあ、10人以上1000人以下くらいの数字しかでないような気がします。

おそらくこの「フェルミ推定」みたいな考え方は、研究者やコンサルタントのような特殊な仕事においては重要性が高いのかもしれません。分からないことだらけの世界では、こういう考え方でもしないと、話が進みませんからね。

でも、大多数のビジネスマンにおいては、あやふやな推論をしなければいけないような状況には、なかなかならないものです。なったとしても、その推論から出た値をそのまま使うことはなく、時間をかけて精度を上げていって、十分上がったところで、やっと使える数値になるんだと思います。

「短時間」を意識しすぎりあまり、不確定すぎる値を許してしまっているのが気になるんですよね。短時間が重要だとしても、面接で即答っていうもんじゃない気がします。大喜利じゃあるまいし。何日もかけるんじゃなくて、数時間程度で、調査して、推定して、精度を上げるために補正して、そして、どれくらいの誤差が想定されるかまで考えてこそ、ビジネスで使える数字になるんだと思うのですが。

変にこの「フェルミ推定」という方法を過大評価してしまうと、使ってはいけない場面で使ってしまうのではないかと思っちゃうんですよね。
調べりゃ分かるのに、当てずっぽうで、数字を出してしまうとか。
未知なものは未知数として保留しておけばよかったのに、変に定数化して、間違った結論に行き着いてしまうとか。

調律師の例なら、調律師協会にでも電話で問い合わせればいいのであって、「○○は△△だとする」みたいなことはする必要はないわけで。

調べられるものは調べればいいし、どうしても分からないものだけは推論してもいいけど、あくまで誤差の影響を意識して、導かれた数値は限定的に使用する、という基本的な考え方があれば問題はないのですが。

どうもねえ、私も含め、素人が使うと火傷しそうな考え方のような気がしてならないんです。

数学脳で考える フェルミ推定的日常生活のすすめ
数学脳で考える フェルミ推定的日常生活のすすめ

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コメント

Googleからヒットし、拝見させてもらいました。

正しい答えなどはどうでもいいのです。
なぜそういう仮説に至ったか、論理的に説明できる能力を面接では見たいのです。

もちろん、これを真実だと言い張る人間はただのホラフキですが。

投稿: あし | 2010年10月25日 (月) 19時32分

なるほど、仮説から導かれる結論の正しさではなく、仮説を立てられるか?その根拠や構造を説明できるか?というところを見たいわけですね。

確かに採用試験では、そういうところを見たいでしょうね。

「調べたんですが、データがそろってなかったので、分かりませんでした」みたいな調査結果ばかり聞かされないためにも。

仮説や計算式を構成しておけば、未知数が残っていても、補正ができますからね。「『10世帯に1台』は多くないか?統計データを探しておいてよ」みたいな感じで。

投稿: 管理人 | 2010年10月26日 (火) 07時13分

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