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2009年9月 5日 (土)

イソップ寓話と落語の類似性

いつものように、決して買わずに、図書館で借りたイソップ寓話集

イソップ寓話集 (ワイド版岩波文庫)
イソップ寓話集 (ワイド版岩波文庫)

を読んでおりますと、どこかで聞いたような話が、

三十一 ロマンス・グレーと二人の愛人

  ロマンス・グレーの男が、若い娘と年長(た)けた女と、二人の愛人を持っていた。婆さんは、自分より若い男と語らうのがきまり悪くて、男が通ってくるたびに、髪の毛の黒いのを抜き続けた。若い方は、年寄りを愛人にするのに気が引けて、白いところを抜いた。こうして、両方から代わる代わる抜かれた男は、遂に禿になってしまった。
  このように、何につけ不釣合いは怪我のもと。

これに似た話を聞いたことがありました。それは、桂文楽(八代目)の「悋気の火の玉」の口演の枕の部分です。ちょっと書き出してみます。

若いお妾さんと、 本妻とに、やきもちを焼かれる旦那の話。

妾「あたしに頭貸してくださらない?」

旦那「変なこと言うんだね。何だい、その頭貸せってのは」

妾「たいへん白髪が生えているんですもの。抜いてあげようと思って」

旦那「いいよ、そんなことしなくたって」

妾「そうでないわよ。この間、銀座に行ったときに、どうして?向こうから来た人が、親子じゃないかしらって、ずいぶんくやしいと思ったわ。だから、抜かしてよー!」

ってんで、この、ひざ枕かなんかでもって白髪を抜いてもらうってぇものは、良い心持ちだそうでございますな。あたくしは存じませんけども。

で、お家にお帰りになると大変でございます。

妻「あなた、頭をどうなすって?」

旦那「あ、頭。頭は、あー、ありますよ」

妻「そら、頭はありますよ。頭の白髪をどうなすって?っての」

旦那「あぁ、これかい。これは心配するこたないんだ。床屋の親方がね、寝てたら抜いてくれたんだ」

妻「なんていう床屋でしょうね。白髪が増えたり、頭が禿げたりするんで、重々しく信用がつくんじゃございませんか。いやにこの節若返って、浮気でもしようと思って、こっちいらっしゃいっ!」

ってんで、黒い毛をひょいって抜いてしまう。

お妾さんの方では白い毛を、ご本妻の方では黒い毛を、とうとう旦那一人坊主にしちまったって、馬鹿な話がございます。

ね?似てるでしょ?

古今東西、似たような話があるもんですねー。それとも、この枕を考えた人(文楽とは限らない)が、イソップの寓話を参考にしたんでしょうか。それも、なさそうですよね。

実は私がこの「イソップ寓話集」を読んでみようと思ったのは、皿木喜久氏が産経新聞に連載しているコラムがきっかけでした。皿木氏もコラムで、イソップ寓話の「兄弟喧嘩する農夫の息子」という話が、毛利元就の「三本の矢」の逸話に似ているという点を指摘していました。

「【「イソップ」からの伝言】今こそ生きる「3本」の教え」:イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/other/293773/

上記の記事によると、イソップ寓話と「三本の矢」については無関係説が有力のようです。引用させてもらいますと。

その中(小堀桂一郎氏の『イソップ寓話』という本)で、博覧強記で知られる南方熊楠は、元就が外国人宣教師からイソップ寓話を聞いた可能性はあるとしながらも、似たような話は漢籍など東洋にも数多くあると紹介している。そうしたことから、小堀氏は矢折りの話は「イソップ寓話とは無関係の事であったろう」と推測している。

なるほど、中国にも三本の矢と似たような話があるんですね。

そしたら、黒い毛と白い毛を抜かれちゃうような話も、中国にあったりして。意外にアフリカあたりにあったりして。

そして、イソップ寓話が言いたいことは、「愛人を二人持つなら、二人とも若い娘にしておけ」ってことですよね。違うか。

ベスト落語 八代目 桂文楽 「寝床」「悋気の火の玉」
ベスト落語 八代目 桂文楽 「寝床」「悋気の火の玉」

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