知ると面白くなる落語 ~柳家小さんの趣味が剣道という件~
落語を聞いていると、自分はちっとも面白いと思わないのに、お客さんたちは笑っているなんてことがあります。でも、事情を理解すると、お客さんたちが笑ったのにも納得。
立川談志の「山崎屋」という落語を聞いていました。
放蕩若旦那の孝太郎が、番頭と話しているシーン。旦那(親父さん)が、人間が古い、頭が固いという話の流れで、
口より手が早いだろ。そばに銀のキセルがあるよ。延べの、あれにぐっと手がかかるってえと、間髪入れずスポーンとくるよ。よけらんない。剣道やって、六段だって、えばってるんだから。剣道やっているやつ嫌いなんだ、俺は。
ここで、会場で笑いが起きます。ん?どこか面白いところあったかな。剣士の親父さんが、キセルで殴ってくるってシチュエーションは、じわっとくる面白みはあるものの、笑いがこぼれるほどでもないと思うのですが・・・
後日、別の噺家さんのマクラで事情を理解しました。
三遊亭円窓の「あくび指南」のマクラで、いろんな師匠に稽古をつけてもらったけれど、それぞれいろんな特徴があるという話の流れで、
小さん師匠のところへお稽古お願いしますというと、「よし、木刀持ってこい」なんて。ですから、あそこ行く時には、「落語の稽古」と、あえて「落語」という言葉をつけないと、こぶだらけになっちゃいます。
小さん師匠は剣道が趣味というのは、落語界では有名なのですね。ウィキペディアにも、
柳家小さん (5代目) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B3%E5%AE%B6%E5%B0%8F%E3%81%95%E3%82%93_(5%E4%BB%A3%E7%9B%AE)
小さんは生涯を通じて剣道を趣味、特技としていた。13歳のころから剣道を親しみ剣士を目指すも中耳炎で断念している。落語家になっても剣道を続け北辰一刀流の七段範士の資格を持っており、自らも晩年まで七段をよしとせず、八段を目指していたという。更には自宅を改装して剣道場を作って、弟子たちにも剣道を教えていたほどである。生前には財団法人東京都剣道連盟の顧問を務めていた。
もはや、趣味というレベルではないほどだったようです。
そこで、最初に紹介した、立川談志の口演中の台詞が生きてきます。
剣道やっているやつ嫌いなんだ、俺は。
談志とその師匠小さんとの微妙ないきさつを知っていれば、このフレーズには何やら含みがあることが想像でき、お客さんが笑ったのもなんだか納得できます。
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