大丈夫。ネット接続PCから受信料取ったりなんかしないから
「ネット接続しているPCからも受信料を徴収するのか?」みたいな話題で掲示板が盛り上がっていたんですが、どうも勇み足というか、拡大解釈というか、釣りのような匂いが。
テレビ離れ? インターネットから受信料とればいいじゃない。:アルファルファモザイク
http://alfalfalfa.com/archives/389700.html
スレッドの最初に、
3月5日に閣議決定された通信と放送の融合に向けた放送法や電波法などの改正案に、インターネット接続に対してNHK受信契約を義務付ける条文が盛り込まれていることが判明した。現在の放送法ではインターネット接続しているPCに関しては、NHKとの受信契約を結ぶ義務は無いが、改正案ではこれらのPCも受信契約の対象となる。
とあり、「そんなこと許せるか!」って感じの、NHK批判(誹謗中傷含む)の多数の書き込みが。
最初のスレッドで引用されているのは、以下の2つの文章です。
総務省|国会提出法案
http://www.soumu.go.jp/menu_hourei/k_houan.html
放送法改正案
第2条
1 「放送」とは、公衆によって直接受信される事を目的とする電気通信(電気通信事業法
(昭和59年法律第86号)第2条第1号に規定する電気通信をいう。)の送信(他人の電気通信設備(同条第2号に規定する電気通信設備をいう。以下同じ。)を用いて行われるものを含む。)をいう。
第64条
協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第126条第1項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。
放送法改正案を閣議決定 60年ぶり、自由度向上も - 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010030501000502.html
政府は5日、通信と放送の融合に向けた放送法や電波法などの改正案を閣議決定した。インターネット経由の映像配信の普及などで放送と通信の垣根が低くなっていることを受け、法体系を60年ぶりに見直す。今国会での成立を目指す。
私はどうも、上記の2つから、「インターネット接続に対してNHK受信契約を義務付ける」ようになることが読み取れません。
受信料徴収の対象となっている機器として指定されているものに、新たにPCが加わるということでしょうか?どうも、条文ってのは難しい。
もし、そう解釈できるとしても、常識的に、そうはならないじゃないかなあという気がします。「常識とか感覚で物を言うな」と怒られそうですが、自信を持って言えます。「そんなことには絶対ならない!・・・ような気がします」(やや弱気)
だって、そんなことしたって、新たに受信料を取れる層って、「テレビは持っていないけど、(テレビ受信機能の付いていない)PCは持っている」という世帯でしょ。少なくはないのかもしれませんが、全体から見るとニッチじゃないですか?そんなところから、強行的にお金取ろうとしても、反発ばかり大きくて、NHKにしてみれば大してメリットはないような気がします。
以前、NHKの人と電話で話したときも、「テレビがなくてもワンセグ携帯持っていたら徴収する」って言ってたんですけど、現状やっていないんじゃないですかね。
NHK 「受信料払ってください」
皆様 「テレビ持ってません」
NHK 「携帯持ってますか?」
皆様 「はい」
NHK 「ワンセグついてますね。払ってください」
なんてことは、さすがに、ねえ。
今回の法案って、法律上、放送と通信が分断されていて、でも境目がどうも規定しにくくなってややっこしいし、時代にそぐわないから、利便性も考えて統一的なものにしましょう、ってのが目的だと思うんですよ。
結果として、「ネット接続したPCからも受信料取れる」という解釈がもし成り立つとしても(注:そうなのかどうかは、私は理解していません)、そんなことをして得する人はいないわけだから、運用上、実行には移さることはないはずです。
現状PCだけ持っていて受信料払っていない人も、特に状況は変わらないと思います。
「法律上契約義務があるのに、運用上見逃されている」みたいな状態になってしまうと気持ち悪い、という心情はあるのかもしれませんが。■
[2011年5月24日追記]
放送法は改正され、
【旧】無線通信の送信(電波を受信するテレビ、ワンセグ)
↓↓↓
【新】電気通信の送信(インターネット接続されたPC他も)
と、解釈できる条件が揃ってしまいました。
このエントリを書いたときは、まさかネット接続PCから受信料を取るなんてことはないだろうと思っていたのですが、寄せられたコメントを見ると、ワンセグ携帯を持っていると契約を迫られるそうで、この調子じゃ本当にやりかねないのではという雰囲気。■
[2011年7月14日追記]
「受信料制度等専門調査会」なる組織の報告書によると、ほんとにPC所有者からも受信料を取るつもりなんじゃなかろうか、と不安になってきた。
PC所有者からも受信料を取るのか?っていう話
そんなとこ狙っても、反感買うだけなのに・・・■
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コメント
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ワンセグは所有を聞かれます。
投稿: ハーフバンク | 2010年5月 3日 (月) 19時54分
>ワンセグは所有を聞かれます。
おぉ。
ということは、私の書いた架空の再現会話
>NHK「ワンセグついてますね。払ってください」
が、有りうるということですね。
テレビ持っていなくて、ワンセグ携帯だけ持っている人で、正直に受信料払っている人っているんでしょうかね。がっつり見ている場合はともかく、ワンセグって使わない人は、いっさい使わないようなイメージがあるんですけど。
私の携帯もワンセグついてますが、購入の際に考慮したわけではなく、その時の再薄機種にしたら、たまたまついていたという状態。もちろん見ないし。
ワンセグのみで受信料を取られているor拒否した、なんて人の情報求む。
投稿: 管理人 | 2010年5月 4日 (火) 03時43分
私は、いわゆる「放送波」を視聴可能なものは
ケータイのワンセグのみですが、
機種変更の際に
ワンセグが「受信契約対象」とは知らなかったとはいえ
その後自分で調べたところ
受信契約が必要なことがわかったため
NHKスタッフが来た際に契約しました。
しかしその際、何の事情も聞かずに
話を始めるなり、「契約をしなければ裁判になる」と
半ば脅迫まがいな話をされたことが
非常に不愉快な思い出になっていて、
通帳の記帳欄に「NHK」の文字を見るだけで
今だに癪に障るため
ケータイの「ワンセグ機能」を
なんとかしようと考えているところです。
ちなみに、今のこのケータイに機種変更の際、
不安ではあったため「『受信料』がかかるのでは?」と
docomo店員に尋ねたものの
「必要ありません」と即答されたのが
そもそもの始まりなんですけどね。
(契約した際のNHKスタッフに言わせても、
「それは『虚偽の説明』にあたるから
こちらからもクレームをいれる」との
対応でした。)
投稿: narunaru | 2011年5月14日 (土) 21時43分
to narunaruさん
貴重な情報ありがとうございます。
私が以前NHKに問い合わせたとき↓に、
B-CASを問題視しているのは一部の人
http://claimant.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/b-cas-c8ae.html" rel="nofollow">http://claimant.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/b-cas-c8ae.html
ワンセグのついた携帯電話を持っていれば契約義務がある、と聞いたのですが、それはあくまで理屈で、それだけの理由で契約を強要するようなことはないんじゃないかと、甘く見ていました。どうやら、そうではないようですね。
・ワンセグ携帯所持だけでも契約を強行する
・拒否する場合には、裁判をちらつかせる
というのは、NHKの方針のようです。
法律を引っ張り出して、納得できないような状況にある人から、全体からみればわずかばかりの受信料をむしり取ったとして、誰が得するんでしょうね。アンチNHKを増やすだけのような気がします。
投稿: 管理人 | 2011年5月15日 (日) 05時01分
ええ、おかげで私は完璧に
アンチNHKに傾きました。
こちらのブログにも書かれているとおり
アナログ波停波を前にして
放送法がかなり変わったとのネタも時々見かけますので
気になるのは、インターネット接続しているPCの扱いなのですが…
私としてはワンセグ云々で
争うつもりはないのですけど、
さすがに、PCのインターネット接続のみを理由に
「受信契約の対象」となるようなら
異を唱えるべき時かもしれないと
考えています。
何故ならば…
「NHK受信契約」未契約を理由に
「インターネット接続」を禁じてもよいという
“合理的な理由”が見出せないから、なんですけどね。
最近やたら推し進められている
検閲に近い“フィルタリング技術”を逆に利用して
放送コンテンツ自体とそのコピーに類するのものみ遮断する程度にとどめるなら
まだ理解の余地はありますけど…。
投稿: narunaru | 2011年5月15日 (日) 16時45分
私がこのエントリを書いた時は、まだ「改正案」で、「今国会での成立を目指す」という状態だったのですが、無事(?)、2010年12月3日成立してしまっていたようですね。
放送法 総務省のサイト
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO132.html" rel="nofollow">http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO132.html
>最終改正:平成二二年一二月三日法律第六五号
>第二条第一項第一号中「無線通信の送信」を「電気通信
>(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二
>条第一号に規定する電気通信をいう。)の送信(他人の
>電気通信設備(同条第二号に規定する電気通信設備をい
>う。以下同じ。)を用いて行われるものを含む。)」に
>改める。
【旧】無線通信の送信(電波を受信するテレビ、ワンセグ)
↓↓↓
【新】電気通信の送信(インターネット接続されたPC他も)
と、解釈されてしまうってことですよね。
施行はまだなのですが、
放送法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令等の整備に関する意見募集
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin01_01000010.html" rel="nofollow">http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin01_01000010.html
によると、
>法の公布の日から起算して9月を超えない範囲内で施行
>することとされており、
とのことで、遅くとも2011年9月3日までには施行されるのは確実な状況です。
で、さっきNHKのサイトを見ていて、ぞっとしたのですが、
NHK受信料の窓口-NHK放送受信契約・放送受信料についてのご案内
http://pid.nhk.or.jp/jushinryo/about_1.html" rel="nofollow">http://pid.nhk.or.jp/jushinryo/about_1.html
>放送受信契約とは
>NHKの放送を受信できるテレビ(チューナー内蔵パソコン、
>ワンセグ対応端末などを含みます)を設置された方に、
>結んでいただくものです。
のように、ワンセグ対応端末を受信契約の対象とすることを明記しており、なおかつ、その根拠として放送法をあげ、リンクを張ったり、引用したりしています。
この流れから行くと、放送法改正の施行のタイミングで、PC所有を理由に受信契約をせまるようになっても不思議ではないですね。
でも、もしそんなことすれば、テレビを見ないPCユーザの多くを敵に回すことになると思うんですけどね。で、そのようなPCユーザの活動の場はネットであって、ネットでのNHK攻撃がどんな感じになるか・・・
とてもじゃないけど、得策だとは思えないです。
投稿: 管理人 | 2011年5月18日 (水) 03時43分
改正放送法についてはやっぱり第64条の「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」が一番気になります。ネット配信も放送にあたるようですが、放送受信できるなら契約、にあたるのか、インターネット接続できるパソコンは「受信設備」にあたるのかです。NHKはとうぜん視聴できるなら受信設備だというでしょう。でも電波は垂れ流しでそれを受ける受信設備が必要。有線は放送を受ける契約なので受信設備が必要。インターネットでは放送データ垂れ流しを受信するわけではないし、NHK放送に意図的にアクセスしなければ視聴できないので、受信設備といえるのか、この解釈が問題になるんでしょう。それとも「受信」から「視聴」とか「受信又は接続」ともう一度法改正されるのか?
投稿: 説明してよ、総務省さん | 2011年9月18日 (日) 11時00分
すみません、ネット配信は、テレビ等との同時配信される場合を放送と見なすようですが、この理解でよろしいですか。
投稿: 説明してよ、総務省さん | 2011年9月18日 (日) 11時03分
コメントありがとうございます。
64条の「受信設備がある→契約必須」というのは以前からあるみたいで、この乱暴な規定のせいで、「見ない人も払う義務あり」という状況になっています。
あとは、パソコンが、この「受信設備」にあたるのかというところですが、放送法の改正で、パソコンも含むような状況に持っていった、という流れのようです。
で、「説明してよ、総務省さん」さんの指摘のように、「受信設備」という字面から想像するものと、ネット接続PCとは違いすぎるんじゃないかというのはもっともなんですが、おそらく、そのへんは考慮されないんじゃないかと思います。
追記で書いたように
>【旧】無線通信の送信(電波を受信するテレビ、ワンセグ)
>↓↓↓
>【新】電気通信の送信(インターネット接続されたPC他も)
PCのネット接続は「電気通信」という言葉に含めてしまう心づもりであることが読み取れそうです。
>ネット配信は、テレビ等との同時配信
>される場合を放送と見なすようですが、
PC所有者からも受信料を取るのか?っていう話
http://claimant.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/pc-7aa8.html" rel="nofollow">http://claimant.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/pc-7aa8.html
上記のエントリに少し書いたのですが、「NHK受信料制度等専門調査会」には、
>上記の整理に基づき、一つの例として、「基幹放送」の
>内容をインターネットにおいて同時同報送信することを
>考えるならば、その財源としては、総合的な受信料、
>放送外受信料、有料対価等が想定される。
とあり、IPサイマル放送を想定したものと思われます。
長期的に見ると、NHKはIPサイマル放送の環境を整え、その結果、世の中のネット接続PC、タブレットPC、スマートフォンなど、あらゆるものを契約対象にするつもりなんじゃないかというのが、私の予想です。
投稿: 管理人 | 2011年9月19日 (月) 05時33分
コメントへの返信わざわざありがとうございます。
私も報告書には目を通しました。
NHK受信料制度等専門調査会はNHKに利用できるところからは取っちゃえば、そのお手伝いをするよと感じられ、納得はできません。
でもIPサイマル放送で対応するから放送できるんです、ということならば、アンチNHKが、インターネットに繋がっているPC全部と契約するんだろうな、世界中の人と契約するんだろうな、という意見には反論できますね。放送範囲を国内に限定することが可能ですから。
まぁ、すでに地上波の契約をしている場合は追加契約等の上乗せはないということで関心をそらし、まったくの未契約ならこれで契約してやる、ということのようです。
すでに契約済みの方にとってはどうでもいい話なんでしょうけど。
見もしないNHKと契約をするのがイヤで、引っ越してからテレビを入れずに(アンテナは前の住人がつけているものが残ってますが)過ごしてました。
最近アナログテレビをwiiのモニタにするために実家からもらってきましたが、地デジが映るはずもなく、最近でも契約を断ったところです。
しかし、ネットできる環境なら契約しろというのなら、もうインターネットを止めるしかないのかと...
ちなみにテレビを全く見ていないわけではなく、週に4~5番組程度、NHK以外の民放を実家でリアルで見るか、録画したものを自宅に持ち帰って見ています。
近い将来、また、契約を執拗に迫ってくる地域スタッフを相手にし胃痛と闘う日々が来るんでしょうか。
すでに昨年の国会答弁でNHK会長が「全国レベルで未契約世帯への民事訴訟が行える体制になった」と答弁しているという話も聞きました。
つまり、ネット契約をしているかどうかはブロバイダから聞き出せるから未契約者に対する損害賠償が簡単にできるようになります、ということなのでしょう。
放送法を根本的に改正しなければ、どうしようもないですかね。とにもかくにも「あまねく~しなければならない」、この一点が一番問題のような気がしています。
いろいろ思うところはあり、あくまでも法律論で論ずるべきであって感情論を持ち出しても解決することではないと分かっていますが、やはり、納得しがたいことです。
考えるだけで本当に気分が悪くなってきます。
最後は愚痴になりました。失礼いたしました。
投稿: 説明してよ、総務省さん | 2011年9月23日 (金) 23時49分
こんにちは、管理人です。
私の場合、NHKも含めてテレビは結構見るし、すでに受信料契約しているので、ネット接続PCが対象になっても、なんら影響はないんですよね。そして、そういう人が多いと思うんですよ。
「テレビ無、PC有」の世帯から無理して受信料取っても、大した収入増にはならないんじゃないかと。
で、NHKが狙っているのは、実は企業の事務所とかなのかなと。
最近は、1人1台PC使っていることも多いと思うので、ボリュームディスカウントした上で、1台あたり数百円でも取れれば、かなりの収入増につながるんじゃないでしょうかね。企業のコンプライアンスとかもあるから、契約は断りづらいでしょうし。
でも、ネットでの配信なら、受信契約者のみにユーザID発行して、それがないと視聴できないようにすればいいだけの話なんですけどね。
それをせずにおいて、「あまねく」金を取るってのは、えげつないなあって思います。
投稿: 管理人 | 2011年9月24日 (土) 04時17分