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2010年3月22日 (月)

電子書籍を無料配信すると、本の売り上げが増加する?

国内で電子書籍を無料配信した例として、私が知っているものでは、『FREE フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略』と『生命保険のカラクリ』があります。

『FREE フリー』の方は発売前に実施して、1万ダウンロード限定で、約43時間で終了。

『生命保険のカラクリ』の方は発売から数カ月経過後に実施して、ダウンロード数は無制限、期間のみ限定という形でした。(書籍発売 2009年10月17日、無料配信期間 2010年3月1日~2010年4月15日)

以下は過去のエントリ。

『FREE フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略』がやったのは、フリーミアムでも何でもないよね
http://claimant.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/free-8aec.html

電子書籍の無料配信が、実際の書籍(なんて呼べばいい?物理書籍?)の売上にどういう影響を与えるかという点に興味がいきますよね。

『FREE フリー』の例は、限定数も少なすぎるし、話題性の方が強すぎてあまり参考にならなそう。

『生命保険のカラクリ』の例は、発売後数カ月経っていて、きっと売上も落ち着いてきた時期の無料配信なので、興味深いデータが取れそうですね。売上推移とか発表してくれたらうれしい。ですが、まだ配信期間中なので、もうちょっと待ちましょう。

で、本題なのですが、電子書籍の無料配信と書籍の売上との相関関係を調べた研究結果がアメリカで発表されたとのこと。

無料配信で書籍の売り上げが増加:41冊の調査結果 | WIRED VISION
http://wiredvision.jp/news/201003/2010031122.html

米国ブリガムヤング大学の研究者によると、電子書籍の無料提供は、少なくとも一時的な本の売り上げ増加につながるようだ――特に小説については。

41冊の本について、無料版がリリースされる前と後の8週間の、本の売り上げをモニタリングした研究で、「永久的に利用できる無料のデジタル書籍と、本の短期的な売上増加の間に、中程度の相関関係」が見られた、と研究の執筆者は述べている。

ざっくり言うと、売上に良い影響を与えたものが多かったが、そうでないものも一部あった、という感じ。

オリジナルの論文は下記で見られます。

The Short-Term Influence of Free Digital Versions of Books on Print Sales
http://quod.lib.umich.edu/cgi/t/text/text-idx?c=jep;view=text;rgn=main;idno=3336451.0013.101

調査した41タイトルの売上の変化の表があったので見てみました(英文読むほどの根気はなかった)。

正直、ばらついていて良く分からんです。

カテゴライズの仕方も、

7タイトル   ノンフィクション
5タイトル   フィクション
5タイトル   Random House(出版社)
24タイトル  Tor(出版社)

と、なんか微妙。なんでジャンルと出版社で?数が少ないから仕方がなかったんでしょうか。

全体としては増加しているんでしょうが、すごく減っているのとか混ざっていて、他の要因の影響もありそう。

まだ対象となるデータが少ないせいでしょうね。

あと、「とりあえず読んでおこう」というタイトルと、「何度も読み返したい」というタイトルもありますしね。個々の書籍の内容も無視できないでしょう。

私も、図書館で借りて一度読んで、その後、お金を出して買った本とかもありますし。

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

生命保険のカラクリ (文春新書)
生命保険のカラクリ (文春新書)

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