美味しんぼへ日本建築学会が反論
美味しんぼって言えば、なんだか最近は、作者の雁屋哲氏の主張が強すぎて、いろいろな批判があったりするみたいですが、今度は日本建築学会が抗議をしたようです。(注:下記記事を参照するにはユーザ登録が必要)
日本建築学会が木造禁止を巡り「美味しんぼ」に反論|日経BP社 ケンプラッツ
日本建築学会は、1959年に同会が「木造禁止」を提起した際の経緯などを解説する文章を公表した。小学館が発行する「ビッグコミックスピリッツ」で連載中の人気マンガ「美味しんぼ」のなかの、「日本の家屋で国産材の使用率が著しく低い一因は、日本建築学会が59年に木造建築を否定したため」という趣旨の記述に関して、読者から事実を確認する問い合わせが2件、寄せられたためだ。
記事によると、漫画に書かれていた内容はというと、
「日本の家屋で国産材の使用率が著しく低い一因は、日本建築学会が59年に木造建築を否定したため」という趣旨の記述
「一級建築士の試験では木造について一切扱わないし、大学でも木造建築を教えない」との記述
のようですが、日本建築学会の反論としては、前者は一律に木造建築を否定したわけでなく、防災の観点から、危険の著しい地域に制限を設けてはどうかという提起だし、後者については
08年の一級建築士試験では木造に関する問題が3題あった。また、08年の改正建築士法では、一級建築士の受験資格要件として、大学などで国土交通大臣が指定する科目を修めて卒業していることが必要になった。この指定科目の例として『木構造』が挙げられている。
だそうです。どうやら今回の件に関しては、雁屋さんの事実誤認とみるのが妥当のようです。
昭和34年に決議されたという、「建築防災に関する決議」の内容を実際に見てみても、
「木造禁止」を含む日本建築学会の「建築防災に関する決議」(1959年)について
建築防災に関する決議
一、防災地域の設定
一、都市再開発による防災計画の実現
一、防火、耐風水害のための木造禁止
一、防災構造の普及徹底
都市並に建築物の防災基本方策を速かに確立しその徹底的実現のため、強力な国家施策の実施を要望する
上記は昭和34年度日本建築学会近畿大会において決議する。
昭和34年10月25日
日本建築学会近畿大会委員長 鷲尾健三
日本建築学会会長 二見秀雄
これを根拠にして、「日本建築学会が59年に木造建築を否定した」っていうのは、明らかにいきすぎた表現ですよね。
最近、初期の「美味しんぼ」を図書館で借りて読んだり、東京MXテレビの再放送見たりしているんですが、ためになる漫画だと思うんですけどねえ。(展開がベタとか、思想が偏っているとかいうのはおいといて)
小学館は「手紙は受け取ったが、特に対応はしていない」とコメントしている。
とのことですが、単行本化する時には、注釈をつける程度のことはすべきじゃないでしょうかね。そうじゃないと、トンデモ本扱いされるようになっちゃいますよ。
最近の作品は全然見てなかったんですが、単行本の表紙を見ると、山岡さんがちょっと男前な感じになってて笑った↓
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