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2011年4月 6日 (水)

はた迷惑な安否確認

大きな災害が起きた時などに、遠隔地に住む家族や知り合いは、大丈夫だろうか?と思って連絡を取ったりしますよね。安否確認ってやつです。

何かあれば助けに行けるような距離の場合ならともかく、遠隔地の場合、状況を知ったところで、どうにもできないことも多いんじゃないかと思います。結局、「安心したい」という目的のためだけに、実効性の低い行動を取っているだけなじゃないかと。

ただ、そこには人の気持ちというものがあるから、否定するところではないと思うんですよね。「無事であることを知りたい」「無事であることを知らせたい」という人の気持ちがある。

ただ、これはちょっと違うだろ、と思ったのが、会社規模で導入する安否確認システム。
東日本大震災の直後、全社員に一斉にメールが送信されました。社員は無事かどうか、自分の状況を返信します。返信結果は自動集計され、状況を把握することができる。

会社の上層部にとっては便利かもしれないけど、他の人にとってはメリットがないばかりか弊害さえあるんですよね。

ある人は休日の旅行で遠隔地にいたんですが、通信の輻輳でメールが送信できない。電話もつながらない。自身は全然問題ない状態であるにもかかわらず、なんとか連絡を取らなくては、って状態になる。数時間後にやっと連絡がついて、第一声は「連絡が遅れて済みません」

これじゃ、「安否確認」というよりは「安否報告義務」。

従業員にとってのメリットもないですよね。「倒れてきたものに挟まれて動けません。助けて」ってことを会社に伝えたところで何もできないでしょう。救急や消防に連絡するのが先でしょうし。

結局は義務だけを負わされた形になっていますよね。

それに今回のような大規模災害の場合、一斉に大量のメールトラフィックが発生するわけで、それが全体の通信状況に悪影響を与えたりしないんでしょうかね。会社に「無事です」を伝える通信より、消防に「助けて」を伝える通信の方が重要なんじゃないでしょうか。

会社が状況を把握するのは一週間後でも構わないんじゃないかと。

そして、そんなシステムのためのメールのパケット料金は、社員持ちだったりします。

電話はなぜつながるのか 知っておきたいNTT電話、IP電話、携帯電話の基礎知識
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コメント

そもそも東日本大震災の時、宮城県では大手安否確認サービスのメールが週明けの月曜(震災から3日後)に届きました。
 携帯電話の安否確認サービスなんて所詮は携帯電話が繋がる軽微な地震や台風か、被災地から離れた安全な地域でしか使えない気休めのサービスです。

to まこちん さん

3日後ですか・・・。
安否確認が必要ない程度の軽い災害のときは機能するけど、本当に安否確認をしたいような大規模災害のときには機能しない。一斉送信系の安否確認サービスなんて、やらないほうがいいんじゃないかという気がしますね。

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