エロ川柳の集大成「誹風末摘花」をタモリ倶楽部で紹介
「誹風末摘花(はいふうすえつむはな)」と読みます。今の漢字に直すと、「俳風末摘花」となるのでしょうか。
デジタル大辞泉によると、
川柳集。4編4冊。似実軒酔茶(にじつけんよいちゃ)ほか編。安永5~享和元年(1776~1801)刊。川柳評の万句合(まんくあわせ)などから好色的な句を集めたもの。
好色的な句、つまり、ばれ句(破礼句)、つまり、卑猥な内容の川柳を集めたものです。
この書物が、2011年6月17日放送のタモリ倶楽部で紹介されていたので、さっそく川崎市立図書館で予約したところ、歴史的資料みたいな風体の本が届きました。
古るっ
それもそのはず、初版は昭和22年、この本自体は昭和26年の重版のものです。
廿六年 (二十六年)
定價 (定価)
二百六十圓 (二百六十円)
發行 (発行)
千代田區 (千代田区)
國際文化會館 (国際文化会館)
なんて感じに、ごく自然に旧字体が使われていますね。本文の方でもそうなっているので、読むの大変です。
で、この手の川柳って、隠語が使われていたり、暗黙の知識が前提となっていて、現代人が聞いても、よく分からないんですよね。なので、タモリ倶楽部できちんと解説をしていました。勉強になります。
番組で最初に紹介されていたのはこの川柳
蛤は初手 赤貝は夜中なり
これでピンと来る人はエロ博士認定です。
書籍を参照してみますと、
蛤は蛤の吸物。當時婚禮の席に必ず用ひた。
(「蛤は初手 赤貝は夜中なり」についての注釈)
という注釈です。
ちなみに、
蛤 : はまぐり
當時: 当時
婚禮: 婚礼
です。
この頃まで普通に、「用ひた」なんて表記していたんですね。
う~ん、これだけの注釈じゃ、やっぱり難しい。赤貝が何を指しているなんてことは、言うまでもないんでしょうねえ。
でも、タモリ倶楽部でのやり取りを見れば伝わってきました。
解説ゲストは、「江戸の性愛文化にお詳しい」、ハコちゃんこと、岩下尚史先生でした。
岩下先生 「祝言の時の句でございます。昔の祝言は蛤のお吸い物を・・・」
タモリ 「必ず食べましたね」
タモリ 「じゃ、結婚式のその時は蛤を食べてるけど、夜中はおまえ赤貝を食うんだろと」
岩下先生 「そういうことです」
はい、そういうことだそうです。大人の階段をのぼった気がしますね。
そして、巻末には索引もあるので、会社の同僚との会話の端々に出てきた、気になるエロ川柳を調べることもできます。
索引もあるぞ
お子様の古文のお勉強の参考書として、ご夫婦の夜のお供に、俳句が趣味のおじいさまのネタ帳として、一家に一冊いかがでしょうか。■
[2010年7月9日追記]
立川談志師匠の口演の中でも、いろんなお色気川柳が紹介されていたので、そのへんをまじえて書いてみました↓
エロ川柳と立川談志
■
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