「タイタンの妖女」以外も読んでみよう
「タイタンの妖女」をもう一回読みたくなったので、書庫に取りに行くことにしました。書庫っていうのは、川崎市立図書館のことです。
予約待ち状態で、そんなに殺到しているわけではないんですけど、所蔵数が少ない(2冊)ので、二か月くらいかかってしまいそう。爆笑問題の太田さんが紹介したせいか、人気ですね。もうちょっと、所蔵数増やしてもいいんじゃないかと。
しょうがないので、カート・ヴォネガット・ジュニアの、他の作品を読んでみることにしました↓
プレイヤー・ピアノ (ハヤカワ文庫SF)
一応、SFに分類されているみたいですけど、どうなんでしょうね。「SF」って聞くだけで敬遠する人もいそうな気がして。
ああ、シニカルで、ふざけているようで、でも愛があって、人間の尊厳を問う。
ピアノ自身が人間よりうまく自動演奏できるようになったら、ピアニストは不要になるのだろうか。
タイトルが「プレイヤー・ピアノ」だから、最後の方に何かピアノに関する何かがバーンとあるのかと思ったら、ピアノはちょっとしか出てきませんでした。
機械とそれを扱う人間というのを象徴しているタイトルなんですね。
機械化が進んで、人の仕事が機械にどんどん奪われていく。機械ができない仕事をする人が世の中を動かし、機械で代用できる仕事しかできない人はさげすまれていく。でも、その境目だって、テクノロジーの進化にともなって日々変化していて、いつ仕事を奪われるかは誰にも分からない。
機械化が進んでいるって点以外は、「SFでしか起こり得ないようなこと」が起こるわけでなく、その機械化だって、1952年の作品ですからね、現代の方が追い越しちゃっている点もあったりして。
わたしは「タイタンの妖女」の方が好きだと思ったけど、どうせタイタンを先に読んだとしても、処女長編の本作を、どうせ読みたくなるんだろうから、あいてしまった二週間の間に読んでしまえばいいじゃん。
長篇を読む気力がないって人には、こちらがおすすめ↓
20世紀アメリカ短篇選〈下〉 (岩波文庫)
この中に「バーンハウス心霊力についてのレポート」という短編作品があって、15分くらいで読めると思います。
バーンハウス教授が身に付けた、遠隔で物に作用を及ぼせる力を、国は軍事利用しようとするんですが、それを拒否してバーンハウス教授がとった行動とは? それは、 当初バーンハウス教授が望んでいた、途上国の灌漑や建設用途でもなく・・・
いやぁ、ヴォネガットでした。泣きそう。
ちなみにこの短編集には、爆笑 太田さんがよくおすすめしているサリンジャーの作品も載っていて、
「笑い男」 J・D・サリンジャー
なかなかお得な短編集となっております。
これまた蛇足かもしれませんが、私は下記のナインストーリーズに収録されていた、
ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)
野崎孝 訳の「笑い男」の方が好きでした。
まあ、人それぞれ好みはあると思うので、いろいろ読んでみてください。
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