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2011年12月

2011年12月31日 (土)

ビートたけしの落語「野ざらし」(全文書き起こし)

ビートたけしが落語を披露したテレビ番組が、12月30日に放送予定、というのを書いたのが下記ですが↓

ビートたけしが落語を披露 立川談志に「聞いてくれ」

ついに放送されたのでチェックしました。

TBS系のサイトには、「突然落語を披露」とか、「突然そのネタをやり始めて」とか書いてありましたが、というより、制作者側の意図としては、なんとかビートたけしに落語をやらせたい、でも、たけちゃん照れ屋だから、「はりきって、どうぞ」みたいな雰囲気じゃ、やってくれなさそうで、苦労して、演ってもらえるように誘導した感じでした。

鶴瓶さんの促し方が絶妙でした。

とりあえず座ってみて、みたいな感じで、特設の高座に座らせて、しばらくは対談して。

釣瓶さんが「野ざらし」の内容にちょっと触れる。

釣瓶「魚釣りって静かにせな アカンでしょ それが その男が行くときに 色んな陽気なヤツで ホントに女釣ろうとするんですよ しゃれこうべ釣って…」

って感じで、ものすごく、ざっくりと言っちゃおうとするんです。でも、これじゃ、「野ざらし」の落語を聞いたことのある人じゃないと、ピンとこないでしょ。

で、たけちゃんが、たまらずに話を横取りして、ネタを最初から始めたという。

釣瓶さんもうまいですよね。わざと端折りすぎた感じで話して、たけちゃんの「きちんと伝えたい」っていう気持ちをくすぐるという。ほんと、照れ屋は扱いがめんどくさい。

そんな流れなので、

ビートたけしの落語「野ざらし」

↑横に付き添いがいるという変な感じの口演でした。

で、全文書き起こしをここに載せるのですが、「野ざらし」を聞いたことがないという人は、正式なものを聞いた後に、対比しながら読むと面白いんじゃないかと。

↓番組で触れていた、三代目 春風亭柳好の「野ざらし」

ビートたけし版は、番組の構成上、時間の都合もあるから、かなり省略してあるし、落語って読んで面白いか?ってところもあるんで、まずは、音声or動画で楽しんで、そのあと考証するという流れがいいんではないかと。

では、ビートたけしの「野ざらし」をどうぞ↓

ストーリーはね 隣に隠居がいてね

鶴瓶:やってえな

ストーリーをちょっと説明 隣に隠居がいてね

夜中に八つぁんてのが 隣で女の声が聞こえて

「おかしいな 隠居は1人なんだけど」って

商売道具のノミで開けると 女が見えて

「あれ?」って言って 明くる日 「おーおー」って言って

(八つぁん)「隠居!」

(隠居)「どうしたい?」

「どうしたいじゃねえ このやろう 人は見かけによるぞ」

「よらないんじゃねえのか よるよ このやろう 昨日の夜中 呼んでたな デリヘルか?」

「何言ってんだ お前」

「年の頃だな 8歳 9歳」

「10つけてくれ 俺 変態じゃねえんだ」

「19だ 文金の高島田 それ着て座ってたろ」

「お前 あれ見たかい」

「見たじゃねえよ 夜中じゅう見ちゃって 痛くなっちゃって膝が どうしたんだ それ」

「その話をすっと怪談じみた話になるから ちょっとな」

「えッ 怪談? それダメだ俺 怖い話はダメ 俺 怖い話聞くと 手水場行けなくなっちゃうんだ こないだ怖い話聞いて 夜中に案の定 便所行きたくなって しょうがねえから行ったんだけどね 真冬で戸が凍っちゃって しょうがねえから (小便を)かけて開けて 中入ったら何しに来たか分かんなくなっちゃった」

「汚いな お前は」

「そうじゃねえんだ このやろう ジジイ」

「話の筋だから聞いといで おまえも知っている通り 私は釣りが好きだ」

「ああ 知ってるよ」

「昨日今日と向島の三囲あたりでやっていたんだが どうも食いが悪いってんでなあ 鐘ヶ淵あたりまで行ったかな」

「おう」

「でもな 食わないときは食わない むろん釣れはしない こういうときには早じまいがよかろうってんで 釣りざおに糸を巻きつけていると 墨田多聞寺の入相の鐘が 陰(いん)にこもってものすごく ゴーンと鳴ったな」

「そいで?」

「あれ 怖くないの?」

「怖くないよ 多聞寺の鐘がゴーンって鳴っただけだもん」

「普通 そこで怖がるぞ」

「多聞寺の鐘が陰にこもって ニャーオ それは怖いよ」

「多聞寺の鐘がニャーオっていうか 四方(よも)の山々 雪解けて 水かさ増さる大川の 上げ潮みなみで 岸をあらう水の音がザブーリ ザブリと 風が吹いて枯れ葦がサッと揺れると そっから出た!」

「何が?」

「あれ? また驚かねえか お前は」

「何が出たの?」

「何が出たって カラスだよ」

「ヒエーッ カラス!? カッ カッ カラス! コケコッコー!」

「バカヤロー わざとらしいんだ バカヤロー」

「で どうしたの?」

「骸骨があったんだよ」

「骸骨 どうした?」

「だからね 野にさらされては浮かばれまいと その骸骨をだな 回向(えこう)してやったんだ」

「骸骨に? 変なことしやがって」

「変なことじゃないよ」

「だって骸骨置いて こっちから ヤッホーかなんか言ったの?」

「そりゃ おまえ こだまだろ 回向とこだまは だいぶ違うだろ」

「じゃあ何だ?」

「野を肥やす 骨に形見のススキかな 生者必滅会者定離 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏と腰につるした瓢の酒をかけてやるとだな 骨が何気なく赤くなったような気がしたんだ」

「ほほう それは昨日かい 昨日 隠居のとこ来てたのは その骸骨に酒かけてやったら お礼に来たのか」

「そうだ」

「ふ~ん ちょっと俺も行ってこよう 骸骨出てきて 酒かけりゃ 女がくんの? 待ってました 行こう さお貸せ」

「ダメだ」

「さお貸せ 酒も貸せ てめえ 保険かけて殺すぞ」

「お前は荒いな」

「いいんだよ コノヤロー 骸骨に酒かけて女が… 待ってました おお~ いるね おい 朝からいるね じじい スケベ おうッ スケベ!」

(釣り人たち)「なんか上で スケベってどなってる」

「分かってる てめえらの魂胆は 釣れるか?」

「何が?」

「骨(こつ)だよ 骨 骨 釣れるか? 骨 とったか コノヤロー 若いのか?新造(しんぞ)か? 年増か? スケベ」

「上でうるさいよ あの人」

「いいから どけどけ! チャチャン チャラスカ チャラスカ チャン チャン チャチャン あとから来て 先釣っちゃうんだ  ♪~あたしゃ年増が~ええ~ええ~♪~いいんです よ へへ~」

「変な人 来ちゃった ダメだな こりゃ」

「よっこいしょっと」

「餌つけたら…」

「餌なんかどうだっていいんだ 餌なんかどうだっていいの そのうち鐘がゴーンと鳴りゃ… ♪~鐘がゴーンと鳴りゃ 上げ潮 みなみさんは ♪~カラスが パッと出てこなさんのさ ♪~骨があるさ~さい あッ スチャラカ…」

「しょうがねえな こうやっちゃ ダメだよ」

「魚が逃げる? 魚が耳あんのか コノヤロー ある? 見せろ証拠 ♪~そのまた骨にとさ 酒をばかけりゃさ ♪~骨がべべ着て こらさのさ ♪~嫁に来るさ~いさい あッ スチャラカ スチャラカ」

「しょうがない やめてよアンタ」

こういうネタです


けっこう、たけちゃん色が入っているんですよね。

「このやろう」「ばかやろう」が多いとか。落語っぽくない。

ものまねの人は、「ダンカン、ばかやろう」って言ってしまうけど、実は本人が言っているのは見たことない的な。違うか。

「デリヘルか?」「保険かけて殺すぞ」とか、ツービートの漫才みたい。

八つぁんが、意外に恐がらないっていうのも、オリジナルとは変えてある部分で、他の噺家の「野ざらし」を聞いたことがあると、その違いが楽しめるという。これがたけちゃんの手によるアレンジがどうかは不明ですが、私が聞いたことがある他のものは、素直に恐がるバージョンばかりでした。

あと、女性の年齢のくだりで、

  「歳の頃は、十六,八」
  「それを言うなら、十六,七か、十七,八だろ」
  「『しち』は先月流れた」

っていうのがオーソドックスなのですが、ここは聞き飽きているだろうと、たけちゃんは「十」を抜いてみるというアレンジ。

たしかに、「8歳、9歳」はまずいだろ。でも、「十六,七」も微妙ですけどね。何せ、昔の話なんで。

なので、「あたしゃ『年増』がいい」っていうのも、今の「熟女」とは違いますよ。

落語で出てくる「年増」は二十歳前後から三十前くらいを想像するのが、適切なようです。

とし‐ま【年増】 デジタル大辞泉

江戸時代には20歳前後を年増、20歳を過ぎてから28、9歳ぐらいまでを中年増、それより上を大年増といった。

なので、「年増が好き」的な発言をする際は、文脈をしっかり意識しないと、あらぬ勘違いをされて、大変なことになるかもしれません。別に、ならないでしょうけど。

ベスト落語 三代目 春風亭柳好 「野ざらし」「ガマの油」「電車風景」「青菜」
ベスト落語 三代目 春風亭柳好 「野ざらし」「ガマの油」「電車風景」「青菜」

2011年12月30日 (金)

THE MANZAIのカメラ切り替えが不快すぎる

2011年12月24日放送の新・週刊フジテレビ批評で、「THE MANZAI」(2011年12月17日放送)について、視聴者からこんな意見が。

THE MANZAIへ視聴者の苦情
・視聴者も漫才を観るためにテレビをつけている
・漫才の途中にお客さんを映すのは控えてほしい
・芸人さんに対して失礼にあたると思う

そういえば、ネタ中にちょいちょいカメラ切り替えがあったのは、私も気になっていたんですよね。

お客さんのショットもあったけど、むしろ、観覧ゲスト(?)って言うんでしょうか、全く関係ない有名人が客席で見てるという、あれが多かったように思います。

あれ何なんでしょうね。人志松本のすべらない話とか見てても、ああいうのいらないよなあって思います。「巨泉のこんなモノいらない」で取り上げてほしいくらい。

で、以下にカメラ割りがいかにひどかったかのエビデンスを示すべく、カメラ切り替えのたびにキャプチャしたものを並べてみました。

左上から横方向、Zの順に見てくださいね。つまり、

登場 → 上半身ショット → ゲスト? → 上半身ショット
→ ゲスト? → 全身ショット → 上半身ショット → ・・・

という順番になっています。

ナイツの漫才でのカメラ割り1「THE MANZAI」より
ナイツの漫才でのカメラ割り2「THE MANZAI」より
THE MANZAI ナイツのネタでのカット割り

上記は、ナイツの1回目のネタの部分だけです。一つのネタの間に、こんなにも関係ないショットを混ぜていたという。数えてみたら、14回もありました。

よく知りませんが、ああいうカメラ切り替えって、ディレクターとかっていう人がやるんでしょうか?

だまって映していればいいものを、カチャカチャ切り替えて、ど素人がビデオカメラ買って、はしゃいじゃって、ズーム多用して、ひどい映像になっちゃってる、みたいな状況に似てますね。

録画した番組を見直して勉強した方がいいですね。もし、あれでいいと思えるなら、たぶん適性がありません。

すごく邪魔なんですよ、有名人の笑いのリアクションが映ったりすると。ビートたけしは笑っているのかなとか、意外とウケてないなとか、気が散っちゃう。ナイナイは爆笑しているように見えるけど、目は笑ってないな、とか。

自身が出演しているんですから、番組中にネタ見て、心から笑えるわけないじゃないですか。テレビにどう映るかってのを意識しながら、進行とか、ネタ後のコメントとか、いろんなこと考えながら、加減しながらのリアクションです。そんなの見せられたって、笑いの妨げにしかならん。

芸人もネタもいまいちで、客のリアクションでも見せなきゃ、間が持たないっていうくらいのしょぼい芸なら、そういう演出もあり得ると思いますよ。でも、そうじゃないでしょ?
「THE MANZAI」は。

ネタの最初から最後まで、1台のカメラで映しっぱなしでも、問題ない。というか、むしろそちらの方が、純粋に漫才を楽しめるはず。

来年は改善してね。

ナイツ独演会 其の二 [DVD]
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2011年12月29日 (木)

バナナマン日村のクエスチョンマークの使い方

2011年12月23日放送の「人志松本のすべらない話 クリスマススペシャル」で、バナナマン設楽が披露した、相方バナナマン日村のエピソードが、爆笑こそなかったものの、一週間経った今でも、じんわりと思い出し笑いしてしまう。

タイトルは「日村の文章」。

とある仕事で、日村さんがグラビアアイドルのブログにコメントを投稿するという企画があって、その文面に、「こんにちは、おっぱい大きいなあ?」というものがあった。あれ?なんか変なハテナの使い方をしているな、と思ったのが、ことの始まり。

その後、設楽さんの娘さんが日村さんに手紙を書いたことがあって、その返事の手紙をスタジオに持参。

クエスチョンマークの使い方が変なバナナマン日村の手紙(人志松本のすべらない話)
日村さんが書いた手紙

○○ちゃんへ

ひさしぶりだね? 元気かな?
お手紙ありがとう?
すごいうれしかったよ。
○○ちゃん 3年生になったの?
勉強楽しいかな?
バイオリンも頑張ってね?
ごはん いっぱい食べて いっぱい
勉強して お父さん お母さんに
やさしくしてあげてね?
又 遊ぼーねー?!
発表会 がんばってよー ?!

                    ひむけん より

区点「。」の変わりに、クエスチョンマークを使うというポリシーなのかなと思いきや、一箇所だけ「。」を使っている箇所もあり、日村さん的にどういう使い分けをしているのかが、興味深いところ。

これを見せた後、

設楽 「日村は、ハテナの使い方を分かっていないんですよ」

すべらない話というよりは、ゾッとする話でした。

バナナマン日村のエピソードにゾッとする松本人志(人志松本のすべらない話)
松本氏のリアクション

日村さんは謎が多い。

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立川談志の子供の名前は石原慎太郎に由来(本人談)

下記の記事からも分かるように、立川談志師匠の息子さんは「慎太郎」という名前です。

【よくわかるニュース解説】演じきった「無茶」 各界から悼む声:イザ!

談志さんの長男で所属事務所社長の松岡慎太郎氏(45)と長女の弓子さん(48)が11月23日、都内で会見し、(後略)

で、その由来について、どっかで聞いたんだけどなあ、ってことで↓こんなエントリを書いたんですが、

立川談志の長男は「慎太郎」

その中で、

親子のことだから、それ系の噺のマクラだったかなと思って、「六尺」「山崎屋」「火事息子」「木乃伊取り」あたりをざっと聞いてみたのですが、見つからない。

って、書いてしまったのですが、実は見落として(聞き落として)いまして、「山崎屋」(旧字体では「山﨑屋」)の口演の中で言及がありました。

今は分割して演じられることが多い、「よかちょろ」と「山崎屋」をつなげた、やや長尺の噺のマクラです。大人よ、父親よ、もっと威張っていいんだ、って感じの話の流れで、

俺は家帰ると、えばってるから、酒飲んでワーと、子供置いて。

うちの子供、長男、慎太郎って言うんだ、いい名前だろ?

字がおんなじなんだ。あの野郎、いつも俺のこと、いじめっから、ガキにその名前付けてやった。

「慎太郎お前はバカだー!」つってんの。ガキはかわいそうに、変な顔して見てら。

というわけで、長男「慎太郎」は、石原慎太郎からとったとのこと。

噺のマクラで言っていることですから、100%本当かどうかは分かりませんが・・・

前述のエントリにも書いてますが、談志師匠の落語内で石原慎太郎氏が頻繁に登場するところを見ても、かなり親しい間柄、そしてお互いに気になる関係であったことは確実なようです。

談志大全 (上) DVD-BOX 立川談志 古典落語ライブ 2001~2007
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2011年12月25日 (日)

任天堂がSNS系ゲームに参入しないワケ

↓こんな記事があって、

任天堂がSNS系ゲームに参入しないワケ:イザ!

まず、SNS系ゲームは儲かる、と。

「あるSNS系ゲームの人件費を除く制作費は1000万円だったが、このゲームは1日で1000万円を売り上げた。単純計算では、半年で18億円を売り上げることになる」

が、SNS系ゲームは儲かるとは言え、任天堂の売上規模と比較すると、

同社が12月第1週に全世界で発売した「マリオカート7」(4800円、ニンテンドー3DS用)は、2週間足らずで70万本以上を売り上げた。売り上げを定価の8割としても26億円だ。

さらに規模の大きいところでビジネスしているわけであり、これをもって、任天堂がSNS系ゲームに進出しない理由である、という論点になっていました。

で、そうなのかなあ?と。

儲かるか、儲からないか、で自分たちがやるべきビジネスかどうかを決めているんだろうか。

「無料(一部のコンテンツは有料)」という形態のゲームは、ゲームデザインする際に、「ユーザにいかに課金部分にのってもらうか」ってのが無視できないですよね。

昔のゲームは、「いいものを作る人」と「売る方法を考える人」がある程度分離していたんでしょうけど、そこが切り離せなくなってしまう。

「どういう曲が売れるか」ばかりに心を砕くアーティストの曲って聴きたい?

そして、そんな話を公衆の面前でしちゃうんだよなあ。最近の「ゲーム」業界の人は。

痛いニュース(ノ∀`) : GREE岸田氏 「ゲームバランスはどうでもいい。課金機会の演出のほうが大事」 - ライブドアブログ

開発部署のトップが、

「細かなゲームバランスよりも,課金機会の演出,効果の演出のほうが大事」

なんてこと言っちゃうんだよなあ。

SNS系ゲームに乗っかっていったスクウェア・エニックスと、参入しない任天堂。10年後、20年後、どちらが残っているだろうか。

任天堂がSNS系ゲームに参入しない理由は、「ゲームというものを大切にしているから」なんじゃないかと、(スーパーが付かない)マリオブラザーズで遊んだ世代の僕は、そんな風に思ってしまうんです。

ユリイカ2006年6月号 特集=任天堂/NINTENDO 遊びの哲学
ユリイカ2006年6月号 特集=任天堂/NINTENDO 遊びの哲学

怒髪天ボーカル 増子直純がNHK視点・論点に出演 「独りぼっちのクリスマス」

12/23の早朝4時20分、何気なくNHKを見ていると、ちょっと不思議な光景が、

NHK「視点・論点」に出演する怒髪天ボーカルの増子直純
おっす! 怒髪天ボーカル 増子直純でっす!

そして、そして滔々(とうとう)と語りだした。

NHKも早朝から変な番組をやっているなあと思ったら、これ「視点・論点」(「各界の有識者や専門家が、世相や時代の潮流を読むオピニオン番組」by NHK公式サイト)でした。

普段は、もっと固そうな感じの人が、真面目な話をしている番組だったと思うんですが、今回のタイトルは、なんと、

「視点・論点」 増子直純 独りぼっちのクリスマス
増子直純
独りぼっちのXmas

です。「Xmas」っていう表記がちょっとツボ。

それは、さておき、あの中年バンドのボーカルが「視点・論点」で語っているというシチュエーション自体にグッと惹かれて、見入ってしまいました。

最近は女子会なるものがございますね。

20代。まだ20代。「女子」。分かります。

しかし、いまや、30代、40代も「女子」。もう、女子と言われたら、女子なんです。

ちなみに私は、30代後半の女性が「わたしたち女の子は」的な発言をしている事案を目撃したことがあります。背筋がゾンゾンしました。

話を戻すと増子さんの論点は、比較的集まることを楽しめる「女子」に対して、男とは孤独なものであると。「男子会」など失笑ものであると。

そして、本題のクリスマスへ入っていきます。

ひとつここに、とても許せない、ことさら我々の孤独に、その傷に塩を塗り込むイベントがあります。これが、クリスマス。

なんですか?この仏教国においてです。急にクリスマスです。

クリスマスとは本来、イエス・キリストが生まれた日を祝う、いわゆる生誕祭なんです。非常におごそかなものなんです。聖夜なんです。聖(ひじり)の夜です。

それが、なんと1年前から有名ホテルは満杯、予約で満杯。「聖」の字が違うんじゃないかと思います。

「この『聖』の字が違うんじゃないか」的な話は、とてもベタではありますけれども、早朝で、NHKの「視点・論点」で、怒髪天ボーカルの増子さんが、という条件がそろうと、なんだかもう、R-1グランプリなみに楽しめてしまうということになります。

怒髪天を聴いたことがないって人は、YouTubeでチェックだ!

↓クリスマスソング(?)

怒髪天/Merry X'mas Mr. Lonelyman

一瞬、ミスターローレンス?って思っちゃうけど、よく見ると、ミスターロンリーマン。PVがすごく面白い。

私、↓これ好きだなあ。

怒髪天/「真夏のキリギリス」

卒業アルバムの写真の髪型って、みんなこんな感じだったよなあ。今は違うんだろうか・・・■

[2012年5月12日追記]
ついにブレイクの兆し↓
「怒髪天」が急上昇ワードな理由

もうしてるって? いやいや、もっとですよ。■

Tabbey Road
Tabbey Road

2011年12月24日 (土)

ビートたけしが落語を披露 立川談志に「聞いてくれ」

これはちょっと貴重な映像になりそうですよ。要録画。

ビートたけし:談志さんに「聞いてくれ」 テレビで落語初披露に鶴瓶も感激! - MANTANWEB(まんたんウェブ)

たけしさんは番組で、談志さんが若いころ十八番にしており、談志さんに勧められて初めて聞いたという「野ざらし」について、「ストーリーを説明する」というと、突然落語を披露。

たけしが鶴瓶に今年中に話しておきたい5~6個のこと~其の参 | TBSテレビ

それ以来「野ざらし」が好きになったというたけしは、落語の高座を模した特設セットで思い出を語るうちに、ちょっとストーリーを説明するといいながら、突然そのネタをやり始めてしまったのだ。

上記は収録時の様子で、そして、それが放送されるのは下記の番組。

  たけしが鶴瓶に今年中に
  話しておきたい5~6個のこと 其の参
  TBS 2011年12月30日(金) 夜10:00~11:54


ビートたけしの落語と言えば、YouTubeにもアップされていた↓のですが、こちらは音声のみ。

前述の記事によれば、今回の12/30放送のものが、「テレビで落語初披露」とのことなので、上記の音源はラジオか何かでしょうか。

あれ?でも、舞台の背景を見てみると        

Photo
背景には花王名人劇場のおじさんが!(YouTubeからキャプチャ)

これって花王名人劇場のやつ(帽子をかぶったヒゲのおじさん)じゃないか?ってことは、ビートたけしが落語をテレビ初披露っていうのが、実は違うんじゃなかろうか。

まあいいや。懐かしいなあ。

ちなみに、このキャラって山藤章二デザインなんだそうで、

花王名人劇場 - Wikipedia

番組前期のオープニングは「名人」の文字をかたどったイメージキャラクターが登場するもので、これは山藤章二がデザインした。

で、内容を聞いてみると、「道具屋」(道具屋 (落語) - Wikipedia)というネタを大胆にアレンジしたものになっていました。

そして、今回の放送で、ビートたけし氏は「野ざらし」を披露するとのこと。

そういえば、YouTubeには、談志師匠の「野ざらし」もありました↓

この「野ざらし」を、われらが たけちゃんはどんな感じで演じてくれるんでしょうか。■

[2011年12月31日追記]
放送されたので、しっかり録画して、確認してみました↓

ビートたけしの落語「野ざらし」(全文書き起こし)

立川談志 古典落語特選 4 [DVD]
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1000年後に残したい菅さんの言動

2011年12月23日に日テレで放送された「1000年後に残したい報道映像2011」の、スクープ証言『日本がもっとも危なかった87時間』、どうやら菅さんが日本を救ったという話だったようです。

番組サイトへ寄せられたツイートで、

とても良い番組だった。再現ドラマを見て、あの時、菅さんと吉田さんがいなければ、日本は滅びてたとあらためて思った。二人は本当に日本の恩人と思う。

というのは、とても模範的。

日テレとしては、東電にスポンサーとしてのうまみがなくなったので、ここは一つ、東電だけが悪者だったってことにしておいて、民主党にすり寄る感じにシフトした、なーんて、うがった見方ですかね。

この番組放送にぶつけてきたわけではないのでしょうが、とてもいいタイミングで、産経に↓こんな記事が出てました。

「怒鳴り声ばかり」震災直後の菅前首相の言動とは:イザ!

現地対策本部長を務めた池田元久前経済産業副大臣による覚書とのこと。

原発に到着してバスに乗り込んだ菅氏は、隣に座った東電の武藤栄副社長(同)を攻め立てた。覚書には「初めから詰問調であった。『なぜベント(排気)をやらないのか』という趣旨だったと思う。怒鳴り声ばかり聞こえ、話の内容はそばにいてもよく分からなかった」と記されている。

非常事態時に怒鳴る。その「怒鳴り」の効果をコントロールできるならやってもいいことなのかもしれませんが。

そして、

「何のために俺がここに来たと思っているのか!」

 菅氏は免震重要棟に入ると夜勤明けの作業員が大勢いる前で怒声を上げた。池田氏は「これはまずい。一般作業員の前で言うとは…」と感じた。

上層部のごたごたに一般作業員を巻き込む。現場の不安感や疲労感はいかばかりか。

菅氏の振る舞いを見た池田氏は同行した寺田学首相補佐官(同)に「首相を落ち着かせてくれ」と頼み、同席した関係者に「不快な思いをさせてしまった」と陳謝したという。

感情をコントロールできない上司の尻拭い。もう、ほんと、うちのバカがすみません・・・的な。

そんな、「日本を救った」菅元総理が「1000年後に残したい報道映像2011」番組内のインタビューで語っています。

池田前経済産業副大臣の手記と、上記の菅さんの言い分と、両方とも1000年後まで残しておきましょう。

なので、日テレも動画の削除依頼とかしちゃダメよ。見えないところに残したって意味ないんだから。

福島原発でいま起きている本当のこと~元・現場技術者がすべてを語った!
福島原発でいま起きている本当のこと~元・現場技術者がすべてを語った!

2011年12月23日 (金)

大川隆法に金正恩の守護霊が降霊

世の芸人たちよ、この笑いを超えられるか!

大川隆法氏に金正恩の守護霊が降霊し、金正日死亡の真相を語ります。

インタビュアー 「お父様がこんなに早く亡くなられるとは思っていなかった?」

金正恩の守護霊 on 大川隆法(以下「守護霊」): 「いやいや、想定内だよ。このくらいでそろそろ死んでくれないと私の活躍の場がないじゃないか」

インタビュアー: 「手を加えられたということは?」

守護霊: 「手を加えるっちゅうことは、どういうことだな」

インタビュアー: 「お父様の死期が早くなる・・・」

守護霊: 「それは、やったよ。はよ、死んでくれんと困るから」

おぉ、大スクープ!

っていうか、インタビュアーの口調というかノリが軽くて面白い。見ているとじんわりと幸せな気分に・・・、あっ? 幸福が実現・・・

大川隆法に金正恩の守護霊が降霊

なんだか、めちゃイケとかの記者会見コントみたいだ。

宗教から政治へ進出した大川氏が、さらに笑いの世界へも、その行動範囲を広げようとしているとみるのが妥当であろう。

マンガ 金正恩入門-北朝鮮 若き独裁者の素顔
マンガ 金正恩入門-北朝鮮 若き独裁者の素顔

「あたらしいみかんのむきかた」が難しすぎるあなたへ

うちの子が、みかんの皮をへんなむき方していて、オフロスキーがどうとかって子供が言うので、何のことかと思って、「オフロスキー みかん」で検索してみたところ、

↓どうやらこれであったことが判明

オフロスキーがみかんで作ったヘビ
オフロスキー!みかんでヘビ... - 写真共有サイト「フォト蔵」

「へび」だったのかー。

で、みかんのむき方と言えば、すごいことになっているのがありますよね↓

ペンで下書きして、カッターで切り込み入れてって、もはやうちの子には無理。アートの域ですね。

みかんの皮で、さる、しらさぎ、かえる、ネッシー、太陽、いか(「あたらしいみかんのむきかた」)
YouTubeよりキャプチャ

カエルを作るのに緑色の早生ミカンを使っているあたり、芸が細かい。ぴったり1個分の皮から構成されているというミラクル。

で、みかんでアートと言えば、2011年2月25日放送のタモリ倶楽部「お茶の間アート大集合!!」の回を思い出しました。

↓こちらの方はちょっとコンセプトが違って、実まで使います。そして、ちょっと大味・・・

タモリ倶楽部「お茶の間アート大集合!!」の回のみかんアート

う~ん、微妙。

「今、何時?」
「オレンジ」

と答えればいいそうです。(作者の中村孝司さん談)

この冬、店頭からみかんが消える!! ・・・ほど、流行るかどうかは未知数。

あたらしいみかんのむきかた [DVD]
あたらしいみかんのむきかた [DVD]

みかんの面白いむき方大百科
みかんの面白いむき方大百科

「乳と卵」と「グランド・フィナーレ」

企画的読書のコーナーです。

じゃん。

芥川賞受賞作「乳と卵」「グランド・フィナーレ」

この2冊。はい、お察しの通り、↓このお二人の芥川賞受賞作でございます。

芥川賞作家同士が結婚 川上未映子さんと阿部和重さん:イザ!

どちらも面白かったです。(←伝える力の欠如)

どうも本をお勧めするのには躊躇があって、結局、好みだもんなあって思っちゃう。アマゾンの評価の「星5つ」と「星1つ」を読んでいると、そう思うよなあ。

ある作家さんの複数の作品をけなしたあげく、一つも最後までは読んでいない、って書いてた人がいたなあ。なんだか、すごいなあ。

自信満々な人にはあこがれる。「ちゃんと読んでませんけど、何か?」

で、「乳と卵」のあの文体が、性に合わないって人の気持ちは分からなくもないんだけど、「だからダメ」って、そこに直結させられるその純粋さにも脱帽します。

というのも、私は全然気にならなかったんですよね。レビューみると、関西弁や、会話の多さ、区切りのなさをネガティブにとっているいる人がけっこういて、それを見て、そんなんだったっけ?って本を見返してみると、そういやそうだなと。

私にはスッとと入ってきたから、全然気にしてなかったポイントなんですよね。関西弁の口語が活字になったものに抵抗がない点に関しては、幼少の頃、「じゃりン子チエ」を愛読していたのが、影響しているのかも。

あの文体や会話の内容やテーマを、幼稚とか稚拙とか表現している人も多いみたいだけど、そうなのかなあ。

人々の会話や思考の流れってそんなもんでしょう。豊胸なんて、ある人にとってはくだらな過ぎる事柄で、でも、ある人にとっては死活問題で、っていう、そんなレベルで展開される物語に、何か感じないのかなあと。

「感じない」と言われればそうかもしれないし、もしかしたら、そこには何もないのかもしれんけど、何も感じなかったという自分の経験を根拠に、何もないって断言するのには、かなり勇気がいるけどね。自分は目明きなのか?って。

読んだ本から得るものが何もなかった、なんてことがほとんどない毎日なんですよねえ。

乳と卵(らん) (文春文庫)
乳と卵(らん) (文春文庫)

グランド・フィナーレ (講談社文庫)
グランド・フィナーレ (講談社文庫)

2011年12月18日 (日)

THE MANZAIのチキチキジョニーと長澤まさみのCM

「THE MANZAI」は、M-1グランプリの後継番組にあたりますね。看板自体はより古いものになりますが。

パンクブーブーが漫才師日本一に!:イザ!

真剣勝負感を出せば出すほど、ネットで、審査方法や審査員メンバーの顔ぶれ、審査基準なんかへの批判が多くなるのは、世の常でしょうね。

「本気で選ぶんだったら、黙ってないよ」ってな人も多いでしょうし。

私、チキチキジョニー、大笑いしました。審査では一票も入っていなかったけど↓

「THE MANZAI」 GROUP Aの審査結果
囲碁将棋  0票        チキチキジョニー  0票
ナイツ      8票         磁石                  2票

同じGROUP Aにはナイツがいましたからね。しょうがないかなあってところも。

あの場で、けっこうベタな悪口系漫才に一票入れるのは難しいのかもしれません。

でも、笑った。

「ガールズ」という言葉が全然合わない、女子の二人組です。

男っぽい岩見がツッコミ。ボーイッシュというのとはちょっと違う。ウィキペディアに載ってた男女コンビ偽装営業の話はちょっと感慨深い。

ちっちゃくてぽっちゃりなのがボケの石原。憎たらしい感じがすばらしい。

ネタは、女性芸能人に生まれ変われるとしたら誰がいいか、みたいな話で展開し、

岩見「女子の憧れランキングNo1は、北川景子」
石原「あー、北川景子なあ、いやでも、あの子、何見ても演技一緒じゃない?」

岩見「演技力といえば、上野樹里」
石原「男ウケがなぁ・・・。だって、『上野樹里が一番好きです』って男と会うたことありますかぁ?」
(会場に挙手を求める時の憎たらしい顔といったら、もう、素敵)

岩見「男ウケで言うたら、長澤まさみ」

チキチキジョニーの長澤まさみネタ
石原「女に嫌われたないやん」

とっても良い「悪い顔」をしていた。

人気者をくさすというのは、我々庶民の心の邪悪なところをくすぐるんでしょうなあ。

ちなみにこの後、THE MANZAIの番組中で、長澤まさみが出演しているCMが思いっきり流れていたのには、ちょっと心配になった。

THE MANZAIで流れた長澤まさみのCM
長澤まさみ出演のKEIRINのCM

競輪の客層は男中心だろうから、長澤まさみの起用は至極的確であり、その点がまた、アンチの炎を燃え上がらせるような、そんなところがちょっと面白い。

M-1グランプリ the FINAL PREMIUM COLLECTION 2001-2010 [DVD]
M-1グランプリ the FINAL PREMIUM COLLECTION 2001-2010 [DVD]

2011年12月17日 (土)

「モルグ街の殺人事件」とMHK「名探偵 三河安城シリーズ」

ちょっとした類似点をつついてみる、のコーナーです。

(ネタバレありなので注意)

2011年11月5日放送の「松本人志のコントMHK」の最後のコント「名探偵 三河安城シリーズ」なんですが、犯人は「娘ゴリラ」さんでした。

「名探偵 三河安城シリーズ」犯人の娘ゴリラさん
娘ゴリラさん

「犯人が類人猿」と言えば、そう、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」ですね。

下記は、青空文庫より。デュパンというのが探偵役(?)です。

モルグ街の殺人事件  THE MURDERS IN THE RUE MORGUE
エドガー・アラン・ポー  Edgar Allan Poe
佐々木直次郎訳

「こりゃあ人間の指の痕じゃないよ」と私は言った。

「じゃあ今度は」とデュパンが答えた。「キュヴィエのこの章を読んでみたまえ」

それは東インド諸島に棲(す)む黄褐色の大猩々(おおしょうじょう)を解剖学的に、叙述的に、詳しく書いた記事であった。この動物の巨大な身長や、非常な膂力(りょりょく)と活動力や、凶猛な残忍性や、模倣性などは、すべての人によく知られているところである。私はあの殺人が凄惨を極めているわけをすぐに悟った。

「大猩々」って何だよ!?って思いますが、↓別の訳(岩波文庫 中野好夫訳)を見てみると、

モルグ街の殺人事件
「これは、どうも人間の手じゃないねえ。」

「じゃ、一つ、このキュヴィエの本の、ここんとこを読んでみたまえ。」

それは、東インド諸島に棲む黄褐色の大猩々(オラングータン)に関する、詳しい解剖学的な、また同時に、主として叙述的な記事だった。この動物のもつ巨大な体躯、異常な膂力(りょりょく)と行動能力、はなはだしい兇暴性、模範的本能等々は、すでに世間周知の事実だが、僕は、一瞬にして、あの殺人事件の示す凄惨さの意味を、了解した。

「オラングータン」とルビがふられていたので、ああ「オランウータン」のことかと分かりました。

ちなみに、ブラタモリの上野動物の回の時に、江戸時代の史料に「ヲーランウータン」と書かれていて、伸ばす音の位置の微妙な違和感にタモさんがつっこんでいました。

惜字帖 オランウータンの図(ブラタモリより)
NHK ブラタモリ より
ヲーランウータンの図
惜字帖(早稲田大学図書館所蔵)

検索してみると、所蔵元の早稲田大学が、資料の画像を公開していました。えらい!

↓下記リンク先で鮮明な画像が見られます。

惜字帖(森島中良ヲーランウータン図並賛など) 第1巻 見開71

惜字帖 ヲーランウータン図

おお、「ヲーランウータン」。西インドのアンゴラ出身とのこと。
将軍や大名が飼ったり、見世物小屋などで見せられていたことを考えると、モルグ街のやつみたいに凶暴ではなかったようです。

そら、乱暴な人もおとなしい人もいますからね。

(シリーズ「オランウータンと私」終わり)

黒猫・モルグ街の殺人事件 他5編 (岩波文庫 赤 306-1)
黒猫・モルグ街の殺人事件 他5編 (岩波文庫 赤 306-1)

立川談志の長男は「慎太郎」

立川談志と石原慎太郎が友人だったというのは、↓このへんのエピソードからよく分かるのですが、

「会話にならざる会話」談志さんと石原知事:イザ!

『おい談志、そろそろくたばるんだろ。ざまあみろ、ばかやろう』って言ったら、言い返そうとするんだけど、受話器からはあえぐ声がしてね。僕の人生の中で印象に残る、無類の話術家と最後に交わした会話にならざる会話だったな

そういえば、

遺族が明かす談志さん“壮絶な最期”…プライドは死なず:イザ!

会見した長男の松岡慎太郎さん(45)によると、

そう、談志師匠の息子さんは「慎太郎」さん。

このへんのことに触れている口演を聞いた記憶があるのですが、どれだったか分からない。

親子のことだから、それ系の噺のマクラだったかなと思って、「六尺」「山崎屋」「火事息子」「木乃伊取り」あたりをざっと聞いてみたのですが、見つからない。

(訂正:「山崎屋」のマクラでふれていました。→立川談志の子供の名前は石原慎太郎に由来(本人談))

たしか、息子に「慎太郎」という名前をつけて、石原慎太郎の面前で、「慎太郎ばかやろう」って言ってみた、みたいな感じだった気がするのですが、子供の名前を石原慎太郎から取ったのか、たまたまなのかはさだかではありません。

で、それを探すために、いろいろ聞いていると、

談志師匠の口演で、石原慎太郎氏に触れているものがけっこうありました。

1つ目は、与太郎噺三本をリミックスした「かぼちゃ屋、豆屋、孝行糖」の口演の中で、横山ノックのセクハラ事件に、突然ふれて。

立川談志プレミアム・ベスト 落語CD集「与太郎噺三本立て(かぼちゃ屋、豆屋、孝行糖)」
立川談志プレミアム・ベスト 落語CD集「与太郎噺三本立て(かぼちゃ屋、豆屋、孝行糖)」

あ、そうノックちゃんな。

この前大阪で独演会やったら、前に上岡があがりやがってね。「長年一緒にやってますから、よく知ってますが、あれはやってます」って言ってたけどね。

俺が電話したときにもね、「どうした?ノックちゃん」「ああ、あることないこと言われてますわ」って言うんだよな。

俺ね、「ああ、ひどいこと書かれてますよ」って言うのかと思ったら、「あることないこと言われてますわ」だって。

あるんだやっぱり。

(中略:女性側に多少批判的な流れで)

例えば石原慎太郎にね、ケツさわられたら・・・、名誉だってことも考えらんない?これ。目パチパチしながら、こんなことやって。

2つ目はテレビでやってた「権兵衛狸」という演目。タヌキを懲らしめるために、頭を刈っている場面。

今、どんな形が流行っているかオラわかんねえんだな。

リーゼントっちゅうのがあったぞ。エーワンポマードってのつけてな。♪晴れた空~、ちゅうのあったぞ、だいたい年齢が分かるだべな。

慎太郎刈りっちゅうのがあったな。慎太郎にしてくれべか。目パチパチしてんでねえ、この野郎、こんちくしょう。

昔こういうギャグをやってたことがあるんだぞ。たぬ公聞かせてやっからな。

裕次郎が具合の悪いときに、われが自衛隊の飛行機で飛んできたちゅう話があるな。それは具合が悪いんではないかと言ったら、自衛隊が警察に協力するのは当たり前だと言ったらしいな。

西部警察がほんとの警察でねえぐれぇのことが分かんなかったのかって、この話をしたらば、俺と石原が大喧嘩になってですな。

3つ目は「ひとり会 落語CD全集 第五期」に入っている、「談志半生記」の中で、石原慎太郎の選挙応援に行ったエピソードで、

面白いのはね、「裕次郎が応援に来たのは、(裕次郎人気に便乗しようとしたわけでなく)裕次郎が個人で思いついて来たんです」なんて言い訳してやがんの、言い訳することないじゃないか。兄貴がやっているのに弟がくるのは当たり前じゃないか

変なやつだね、あいつね。爽やかなとても立派なやつだけど、そういう女みたいな部分があるんだね。

とか。

でも結局、息子慎太郎に触れた口演は見つからず・・・

誰か、知ってたら教えてください。■

[2011年12月29日追記]
訂正です。「よかちょろ」とつなげた「山崎屋」の中で、そのことに触れていました↓

立川談志の子供の名前は石原慎太郎に由来(本人談)

ひとり会落語CD全集(5)
ひとり会落語CD全集(5)

2011年12月11日 (日)

izaにトラックバックする方法

トラックバックできるサイトがすっかり少なくなってしまいました。トラックバックが廃止されて、ツイッターが追加されているようなケースが多いですね。

そんな中、産経系の記事(産経新聞、サンスポ、SANKEI EXPRESS、夕刊フジなど)が集まっているニュースサイト「iza!」は、ニュース記事にトラックバックできる、なかなか貴重な存在です↓

トップページ:イザ!

でも、最近ユーザインタフェースが変わって、トラックバックのやり方がちょっと分かりにくくなってしまったので、その方法を書いておきます。

実は、izaのヘルプのページもあるのですが、

イザ!ヘルプ | 他のユーザーのブログやサイトにトラックバックを行う方法

↑このページじゃ分からないんですよね。だって、

トラックバック 操作手順
  [1]トラックバックURLをコピー
  ・・・


って書いてあるんですが、その肝心の「トラックバックURL」のありかが分かりにくい。

例えば、下記の皆既月食の記事にトラックバックしたいとしましょう。

izaの皆既月食の記事

どこにトラックバックURLがあると思います。

記事タイトルすぐ上部の、「いいね」とか「Tweet」とか「+1」が並んでいる欄?

そう、目のつけどころはいいですよ。で、その右に「izaブログ」ってのがあるから、ここが怪しいと。うん、いいですね。

でも、「izaブログ」ボタンを押すと、izaブログ(産経のブログサイト)のユーザログイン画面に行ってしまい、トラックバックURLは表示されません。

答えは、そのizaブログの記事数の数字、前掲の画像だと「14」のところでした。ここをクリックすると、「トラックバックする」というリンクが表示されるので、ここをクリックすると、トラックバックURLが表示されます。

つまり、イザにトラックバックする方法は、

izaへのトラックバック手順1

↓↓↓↓↓

izaへのトラックバック手順2

ということ。

よく、一言で言えば済む事を、長々と説明する人いるでしょ。

今回のエントリがその好例でした。

すなわち、「つまり」以下を見れば充分だったというワナ。■

[2013年6月16日追記]
残念ながらトラックバックサービスは終了してしまいました。

izaのブログシステムを使っている人は、ニュース記事に関してブログエントリを書けば、記事からリンクされるという機能は残っているみたいですが、さすがに乗り換えてまではねえ・・・

産経新聞系のニュースサイト「イザ!」がトラックバック機能を終了: 主張

あっという間に月25万PVをかせぐ人気ブログのつくり方―これだけやれば成功する50の方法
あっという間に月25万PVをかせぐ人気ブログのつくり方―これだけやれば成功する50の方法

孔子平和賞 復活のお知らせ

ちょっと前に、↓こんなことを書いたのですが、

孔子世界平和賞 終了のお知らせ

いつの間にか、↓復活してまして、

「孔子平和賞」復活 今年はプーチン氏:イザ!

中国メディアは11月15日、中国文化省が9月に選考活動を中止させた「孔子平和賞」が、香港の民間団体に引き継がれ、今年の受賞者はロシアのウラジーミル・プーチン首相(59)に決まったと報じた。

そして、おととい、授賞式も行われていました↓

プーチン氏に孔子平和賞 本人不在で北京で授賞式:イザ!

産経新聞の記事では、

授賞式では、主催者側から孔子の像が北京在住のロシア人の女子留学生らに手渡された。

と、比較的ニュートラルな書き方だとは思うのですが、

↓TBSの方は、どれくらい意図があるかは別として、ややトゲがある感じで、

「孔子平和賞にプーチン首相、授賞式欠席」 News i - TBSの動画ニュースサイト

今年の受賞者に決まったロシアのプーチン首相は授賞式に出席せず、無関係のロシア人留学生2人に高さおよそ25センチの金メッキのトロフィーが手渡されました。
(中略)
 「孔子平和賞」をめぐっては、去年、初代受賞者に選ばれた台湾の連戦元副総統も授賞式に出席しておらず、無関係の少女にトロフィーが手渡されています。

無関係の人にトロフィーを渡すのが、どうやら孔子平和賞の伝統となりつつあるようです。

プーチンと柔道の心
プーチンと柔道の心

2011年12月10日 (土)

本の背表紙から謎のメッセージ?

図書館で本を予約して借りると、古文書か?というくらい古いものが届くことがあります。

↓こんな感じ

伊藤整『得能五郎の生活と意見』を旧漢字で読む

で、古いものだと、本が壊れかけていることがありまして、先日借りた、この『得能五郎の生活と意見』も、背表紙のあたりがこんな感じに、はずれかけていました。

かなり古い「得能五郎の生活と意見」

これをよく見てみると、

「得能五郎の生活と意見」背表紙に書かれた文字

分かりますでしょうか。背表紙のところに何やら書かれています。

女の匂いが鼻について不快でたまらなかったのが、数ヵ月するとそれほどでもなくなり、おしまいには?の匂いが非常に気持よくなって、ついみだらな連想さえ超発されるように

読めないところを補いつつ、書き出して見ると↓

の女のにおいが鼻について不快でたまらなかつたのが、数ヵ月するとそれほどでもなくなり、おしまいには??のにおいがひじように気持よくなつて、ついみだらな連想さえ超発されるように

「??」のところは、「この」か「その」かだとは思いますが、よく読めませんでした。

おそらく、他の本のページを製本の「材料」として使ったものだと思います。

これって伊藤整の作品でしょうか?読みとれたテキストで検索をかけてみましたが、ヒットせず。メジャーな作品なら、誰かが引用していたり、青空文庫あたりに引っかかったりして見つかったりするもんですが、うまくいきませんでした。

あと、図書館で本を修復した際に他の廃本のページが使われたのか、それとも、そもそも新品の本を製本する段階で、すでにこのページが使われていたのでしょうか。

現代だと、どっちも考えにくい気がしますね。本の修復をするにしても、新品のきれいな白い紙使えばいいじゃんって思っちゃいますもんね。でも、昔だったら(昭和28年発行)、紙が今よりも貴重だったりしたのでしょうか。

というわけで、このテクストに見覚えがある方は、ご一報を。

【日本製】絵本強力補修テープ5m(ビニール用強力補修テープ) H-22-B
【日本製】絵本強力補修テープ5m(ビニール用強力補修テープ) H-22-B

アップライトピアノを階段で運ぶ、しかも二人で

アップライトピアノを買いました。そんなことは、どうでもいいんです。

衝撃的だったのは、その運搬方法。

うちは集合住宅で、築年数はかなりのもの。三階建ての三階に住んでます。エレベーターはありません。

マンションではなく、団地を想像してください。階段もそんなに広くはありません。

なので、アップライトをピアノを運び込むんだったら、↓こんな感じのやつがやってくると思っていました。

トミカ・70 いすゞエルフ高所作業車
トミカ・70 いすゞエルフ高所作業車

引っ越しなんかでたまに使ってますよね。これで、ベランダ側から運び込む、みたいな感じ。

しかし、ピアノ運送業者の方たち(注:二人しかいない)は、トラックから降ろしたピアノを載せた台車をベランダ側ではなく、階段側に運んで行きます。

そして、高所作業車?クレーン車?的なものは、いっこうに到着する気配なし。

ま、まさか。

丁重に包まれたピアノには、紐がかけられ、それは二人の肩へ。

階段のコンクリートに「せーの!」、掛け声が反響してから、十数分後、ピアノは三階のわが家へ設置されていたのでした。

ちなみに、ピンとこない方のために補足すると、

河合楽器 アップライトピアノ製品仕様一覧

↑アップライトピアノの重量は200kg超だったりします。

一人あたり100kg以上。あの小柄なおじさんのどこにそんなパワーがあるのだろうか?と、「猫踏んじゃった」(変ト長調)を弾きながら、今日も思うのであった。

カワイ 新品アップライトピアノ K-8 黒
カワイ 新品アップライトピアノ K-8 黒

2011年12月 4日 (日)

佐藤良子アナの卒業写真

録画消す前に残しておこうのコーナー。

日テレの佐藤良子アナと言えば、五分刈りカツラでおなじみ(「所さんの目がテン」を見ている人限定)ですね。

冒頭のコント(?)の5回に1回くらいは、この短髪系ヅラをかぶってくれます。矢野アナの体を張ったコントより、こちらのヅラの方が、微妙に面白かったりします。

日テレ佐藤良子アナウンサーの五分刈りカツラ

で、話は変わるのですが、2011年3月19日の卒業式の科学の回で、なかなか貴重な画像が出ていたので、これは残しておかねばと思いました。

卒業式で呼びかける訳 - 知識の宝庫!目がテン!ライブラリー

本題とはあまり関係のないところでしたが、佐藤良子アナの卒業アルバムの写真が公開されていました。

日テレ佐藤良子アナの卒業写真

↓トリミングしたもの

日テレ佐藤良子アナウンサーの卒業アルバム写真

本人が「私もっといい笑顔あるんです!」と、この写真をイヤがってように確かに若干微妙な笑顔。

で、前述のリンク先に、通常するみたいにプロが撮るのに比べて、もっといい表情になるようなやり方が紹介されていたのですが、それはとても単純で、生徒自身がマジックミラーで自分の表情を確認しながら、リモコンを使って自分のタイミングで撮影するというもの。

確かに、表情が硬いのをカメラマン側で対処するのは難しいですからね。そういうスキルの高いカメラマンもいるでしょうが、卒業アルバムの写真みたいに大量に撮影する必要がある場合は、生徒一人一人には構ってられないですからね。

どうせ一生残るもんなんだから、この設備(マジックミラー&リモコン)を導入して、生徒たちに好きに撮らせれば、好評を得られるんじゃないでしょうかね。

私立とかでアピールポイントにしてみるとか。

校長: 「わが校の、卒業アルバム写真満足度は98.2%でございます」

とか。

最近は、高機能でそんなに高くないデジカメもあるし、そもそも、あのサイズの写真撮るのに、そんなに高機能もいらないだろうし。(筐体部分とかの作りの方が重要かも)実は、カメラマンを雇う費用より安くあがってしまったりするかも。

どうでしょう?カメラメーカーさん。そんな感じの製品(or ソリューション)を開発してみては?■

[2012年3月17日追記]
佐藤アナを見るためだけに、目がテンを見ているというあなたには、こちらのエントリも必見です↓
佐藤良子アナのコスプレ特集

所さんの目がテン!試してわかった超常識 オモシロ実験集
所さんの目がテン!試してわかった超常識 オモシロ実験集

志賀直哉「好人物の夫婦」と、さだまさし「関白宣言」

類似性を見つけて楽しもうのコーナーです。

本棚から、志賀直哉の「城の崎にて」(標題作品を収録した短編集)の文庫本を引っ張り出して読んでおりましたところ、「好人物の夫婦」という作品でこんな場面が。

(夫が、妻を家に残して、遠方に旅行に出る計画の話をしている)

「旅行おしんなってもいいんだけど、――いやなことをおしんなっちゃあいやよ」

「いやなこと」というのは、つまり、遊びの類のことで、浮気みたいな感じでしょうか。

志賀直哉「好人物の夫婦」
「貴方がそんなことをしないとはっきり言って下されば少しくらい淋しくてもこの間から旅行はしたがっていらしたんだから我慢してお留守しているんですけど」
「きっとそんなことをしようというんじゃないよ。しないかも知れない。そんなら多分しない。なるべくそうする。――しかし必ずしもしなくないかも知れない」

お、この、否定はしつつも断言はしない感じ、どこかで見覚え(聞き覚え)が・・・

そう、さだまさしの「関白宣言」

それからつまらぬシットはするな
俺は浮気はしない たぶんしないと思う
しないんじゃないかな
ま、ちょっと覚悟はしておけ

うん、嫁にはこれくらいの強気な感じで行きたい。

まあでも、「女房の妬くほど亭主もてもせず」ってのが常だったりして。

で、今回はなかなか人が気付かなそうな微妙な感じのを見つけたぞ、うんうん。

と思いつつも、念のため検索してみると、指摘されている方がおられました。

66.小僧の神様・城の埼にて: 読書の記録 (日本近代文学)

話は変わるが、この新潮文庫の短編集の中に、「好人物の夫婦」という小説がある。女中の妊娠を巡っての夫婦の心理的なやりとりを描いたものであるが、これを読み進めているとき、歌謡曲でサダマサシの「関白宣言」の歌詞が頭に浮かんだ。

すごく画期的なアイデアを思いついたんだけど、って人に自慢げに話したら、それすでにあるよ的な返しをされたような心境。

でも、自分の感覚がとんちんかんじゃなかったという安心感もあり。

あと、2ちゃんねるでも書き込んでいる人もいました。

☆★さだまさしをちゃんと語るスレ★☆

上記のスレッドで、突然、

593 : 実篤 : 03/03/02 21:54 ID:hGzSfjBU [1/1回発言]
志賀直哉「好人物の夫婦」より
「きっとそんな事(引用者注:浮気のこと)を仕ようと云うんじゃないよ。仕ないかも知れない。そんなら多分しない。なるべくそうする。---然し必ずしも仕なくないかも知れない」

あまりに、突然すぎて、「誤爆?」(=スレッドを間違えて書き込んだ)なんて、反応もありつつ、

要するに、さだは、志賀直哉をぱくった、といいたいんじゃない?ぱくった、ってかパロった?

と、関白宣言のことであろうと気付いた人もおり。

でも、あんな微妙な類似性でパクったなんて言い方じゃ、何も書けなくなってしまう。

「メロン食って、なんか思い出した」みたいな話をしたら、万葉集のパクリになってしまう。

ただ、さだ氏が「好人物の夫婦」を意識していたかどうか、読んだことがあるかどうかは、ちょっと興味がありますね。

そして、ここはひとつ、「夫婦の関係観の変遷」みたいなものを読みとりたいところですね。大正→昭和→平成の。

もし平成の現代でこんな感じに強気な発言を重ねていると、何かあった時の、裁判の際に不利に働きそう。せちがらい。

城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)
城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)

さだまさし ベストデビュー30周年記念リマスター盤
さだまさし ベストデビュー30周年記念リマスター盤

2011年12月 3日 (土)

最後の(?)面白い恋人

もうすっかりおなじみのこのニュース↓

「面白い恋人」販売停止を「白い恋人」側が吉本興業提訴:イザ!

このニュースが流れた直後くらいに、大阪に出張した同僚が買ってきてくれました。

面白い恋人

こんなこと(裁判沙汰)になって、かえって売れて喜んでいるんじゃないか、今頃、増産してたりして・・・

・・・なんて思っていたらそうでもないみたいで、

「面白い恋人」土産店から「あらへんあらへん」:イザ!

また、別のお土産店の販売女性によると「今朝から『面白い恋人ないか?』と何度も聞かれたんやけど…」という。ちなみに商品自体は売り切れたのではなく、撤去されたそう。

裁判所の判決が出る前に自主的に回収しているのかな? ということは、けっこう貴重なものかも。

で、あらためてパッケージを見てみると、とくに面白い要素はない模様。

何か英語で書いてあるぞ↓

面白い恋人のパッケージの文章

よく見ると、ローマ字だ。

Warai ahureru Osaka no machi.
Warawashi warawasare Osaka no machi.
Hito wo warawasunoga daisuki na Osaka no hito.
Anatanimo egao no omoide wo osusowake.

↓(拙訳)  ではなく、ローマ字を日本語にしただけ

笑い溢れる大阪の街
笑わし笑わされ大阪の街
人を笑わすのが大好きな大阪の人
あなたにも笑顔の思い出をおすそ分け

こういう文章って誰が考えるんだろう。いずれにせよ、あまり面白くはない。

でも、裏返して見ると、

面白い恋人の著作権表示
(c)YOSHIMOTO KOGYO

著作権が主張されていたりして、ここはちょっと面白い。

もしかしたら空き包装用紙が貴重になるかもしれない、森永卓郎あたりがコレクションするかもしれない、なんて考え、包装は丁寧にハサミで切って開けてみました。どうせ嫁がすぐに捨てるだろうけど。

面白い恋人のパッケージをハサミで開けた

そしてお皿に盛りつけて(?)みました。

面白い恋人をお皿に盛りつけた
SAND
GOFLATE
C'est un

なぜ人は、ゴーフレットに「ゴーフレット」と書いてしまうのだろうか。

面白い恋人を包丁で切った
包丁で切ってみましたが、うまく切れず、切り口がぐずぐずです。

包丁汚した分、損した気分。

面白い恋人を食べ終わった
ごちそうさまー

あえて空のお皿を写すのは、表現技法の一つだなと思った。(つまり、お菓子は脇へどけただけかもしれない)

で、掲示板なんか見ていると、「そのまま過ぎる。これは無理」っていう意見と、「いいじゃないこれくらい」って意見に分かれてますね。あと、「どうでもいいけど、面白くはないよね」というもの。

この吉本のパロディ商品で、「白い恋人」を製造販売する石屋製菓が損害を受けたかというと、それは考えにくいですよね。

「面白い恋人(賞味期限は守ってます)」とかいう商品名だったら、ダメだろうけど。

明らかにパロディだと分かるし、売っている場所も違うし。

でも、便乗しているかという点では、100%便乗商品ですからね。石屋製菓としては、しゃくに触るだろうし、提訴する権利もあるでしょうね。

でも、どうだろう?石屋製菓にとってトータルでプラスになるんでしょうかねえ。賞味期限の件を持ち出す人って絶対いますからね。それとこれとは無関係だとしても。

穏便に済ませられなかったのかなあ。ちょっと電話で連絡でもして、営業部長あたりが出向いて、類似品もいろいろ出ていて、ちょっと看過できない感じになってきたんで、できればやめてもらえませんか?って。裁判沙汰になったりすると、お互いアレですし、ねえ、みたいな感じで。日本人チックに。

類似品出まくりなんで、ちょっと釘をさしたみたいなところもあるのかなあ。目立つ所で吉本あたりにチクリと。

↓こちらにいろいろ画像が載っていたんですが、類似品は相当多いみたいですね。

痛いニュース(ノ∀`) : 北海道の「白い恋人」製造元、大阪の土産菓子「面白い恋人」を提訴 - ライブドアブログ

「どあらの恋人」(愛知)
「赤い恋人」    (福岡)
「白いお台場」  (東京)
「雪の恋人」    (香港)
「大阪の恋人」  (大阪)
「通天閣の恋人」(大阪)
「京都の恋人」  (京都)
「静岡の恋人」  (静岡)
「私の恋人」    (北海道)
「奈良の恋人」  (奈良)
「伊豆の恋人」  (伊豆)
「二次元の恋人」(東京 秋葉原)
「佐賀の恋人」  (佐賀)
「黒色恋人」    (中国)

どんだけあるんだ・・・

リンク先で画像を見てもらえば分かると思うのですが、商品名だけの問題じゃなくて、パッケージのデザインが白っぽかったり、リボンがあって似ていたり、ラングドシャクッキーだったりと、やっぱり「白い恋人」あっての類似品(またはパロディ、またはオマージュ、またはアンチテーゼ)って感じはしますね。

ただ、福岡の赤い恋人は「博多めんたいこんにゃく」で、異色すぎて笑った。唯一のおつまみ系。

あ、この「異色」って表現、ちょっとうまくない?

あと、百恵ちゃんが出てた、「赤いシリーズ」を思い出した。

白いお台場(大)
白いお台場(大)

赤い疑惑 DVD BOX
赤い疑惑 DVD BOX

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