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2011年12月17日 (土)

「モルグ街の殺人事件」とMHK「名探偵 三河安城シリーズ」

ちょっとした類似点をつついてみる、のコーナーです。

(ネタバレありなので注意)

2011年11月5日放送の「松本人志のコントMHK」の最後のコント「名探偵 三河安城シリーズ」なんですが、犯人は「娘ゴリラ」さんでした。

「名探偵 三河安城シリーズ」犯人の娘ゴリラさん
娘ゴリラさん

「犯人が類人猿」と言えば、そう、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」ですね。

下記は、青空文庫より。デュパンというのが探偵役(?)です。

モルグ街の殺人事件  THE MURDERS IN THE RUE MORGUE
エドガー・アラン・ポー  Edgar Allan Poe
佐々木直次郎訳

「こりゃあ人間の指の痕じゃないよ」と私は言った。

「じゃあ今度は」とデュパンが答えた。「キュヴィエのこの章を読んでみたまえ」

それは東インド諸島に棲(す)む黄褐色の大猩々(おおしょうじょう)を解剖学的に、叙述的に、詳しく書いた記事であった。この動物の巨大な身長や、非常な膂力(りょりょく)と活動力や、凶猛な残忍性や、模倣性などは、すべての人によく知られているところである。私はあの殺人が凄惨を極めているわけをすぐに悟った。

「大猩々」って何だよ!?って思いますが、↓別の訳(岩波文庫 中野好夫訳)を見てみると、

モルグ街の殺人事件
「これは、どうも人間の手じゃないねえ。」

「じゃ、一つ、このキュヴィエの本の、ここんとこを読んでみたまえ。」

それは、東インド諸島に棲む黄褐色の大猩々(オラングータン)に関する、詳しい解剖学的な、また同時に、主として叙述的な記事だった。この動物のもつ巨大な体躯、異常な膂力(りょりょく)と行動能力、はなはだしい兇暴性、模範的本能等々は、すでに世間周知の事実だが、僕は、一瞬にして、あの殺人事件の示す凄惨さの意味を、了解した。

「オラングータン」とルビがふられていたので、ああ「オランウータン」のことかと分かりました。

ちなみに、ブラタモリの上野動物の回の時に、江戸時代の史料に「ヲーランウータン」と書かれていて、伸ばす音の位置の微妙な違和感にタモさんがつっこんでいました。

惜字帖 オランウータンの図(ブラタモリより)
NHK ブラタモリ より
ヲーランウータンの図
惜字帖(早稲田大学図書館所蔵)

検索してみると、所蔵元の早稲田大学が、資料の画像を公開していました。えらい!

↓下記リンク先で鮮明な画像が見られます。

惜字帖(森島中良ヲーランウータン図並賛など) 第1巻 見開71

惜字帖 ヲーランウータン図

おお、「ヲーランウータン」。西インドのアンゴラ出身とのこと。
将軍や大名が飼ったり、見世物小屋などで見せられていたことを考えると、モルグ街のやつみたいに凶暴ではなかったようです。

そら、乱暴な人もおとなしい人もいますからね。

(シリーズ「オランウータンと私」終わり)

黒猫・モルグ街の殺人事件 他5編 (岩波文庫 赤 306-1)
黒猫・モルグ街の殺人事件 他5編 (岩波文庫 赤 306-1)

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