雲散霧消、雲消霧散、雲散霧散、胡散霧消、胡散霧散
↓この記事を読んでいて、あれ?っと。
ずるい者が成功、お人好しは苦労する:日経ビジネスオンライン
もはや、譲り合いやら、共に生きる的発想は胡散霧消したと私は感じている。(以下略)
「胡散霧消」? 正しくは、「雲散霧消」ですよね。
うんさんむしょう【雲散霧消】の意味 - 国語辞書 - goo辞書
[名](スル)雲や霧が消えるときのように、あとかたもなく消えうせること。雲消霧散。「長年の計画があっけなく―する」
うさん【胡散】の意味 - 国語辞書 - goo辞書
[形動][文][ナリ]《「う(胡)」は唐音》怪しいさま。不審なさま。胡乱(うろん)。
「此国(ここ)では余り見掛けたことがないが、―な奴さ」〈二葉亭訳・奇遇〉
うん、私の記憶は正しかった。「胡散」とペアになるのは「臭い(くさい)」だ。
これに関しては、遥さんが言葉を間違って理解しているというよりは、「うんさんむしょう」とすべきところを、「うさんむしょう」とミスタイプして、そのまんま変換しちゃって、編集者もミスを見逃してしまったというケースなんじゃないかと思います。
というわけで、この「胡散」じゃないよね「雲散」だよね、って確認作業をやっている時に見つけた、バージョン違い、および、誤用特集。
【雲散霧消 うんさんむしょう】○
基本形。一番メジャーなやつ。
Magic: The Gathering のカードにもあるくらい。(←分からない人はスルーしよう)
【胡散霧消 うさんむしょう】×
【胡散霧散 うさんむさん】×
「胡散」の意味自体が合わないですからね。誤用とみなしてよさそうです。でも、ネットで検索すると使っている人も結構いるみたいです。
【雲消霧散 うんしょうむさん】○
「散」と「消」が入れ替わったバージョン。
これは先述のリンクのgoo辞書(デジタル大辞泉)にも、手元の広辞苑にもあったので確実です。
【雲散霧散 うんさんむさん】?
「消」が「散」に変わったバージョン。
下記の2つのブログ記事では、この言葉は「ある」としています。(使っているだけではなく、メタなレベルでの言及で)
四字熟語・故事ことわざ 「う」の四字熟語
雲散鳥没 うんさん ちょうぼつ
雲のように散り、鳥のようにかくれて見えなくなる。
あとかたもなく消えうせること。
「類語」 雲散霧消 雲散霧散
雲散霧散 - おばさんの好き勝手
でも、今になって、やっと、「雲散霧散」という言葉も
ある、ということが、わかった。
ただ、個人ブログであって、これをもって「雲散霧散」を認定とするには、ちと弱すぎる。出典が書かれていたら嬉しかったんですが。
あと、デジタル大辞泉でも、私の手元にある広辞苑でも、「霧散」の同義語・類義語として、「雲散霧消」の方が挙げてあり、使用例としても「雲散霧散」は登場しません。という点を考慮すると、ほとんど一般的でない、もしくは誤用が広まったパターンでしょうか。結局、分からずじまい。
とういわけで、いろいろ考えているうちに、こんがらがってきましたので、とりあえず私は「雲散霧消」だけ使うことにしようかと思っています。
次回は、「喧喧囂囂(けんけんごうごう)」、「侃侃諤諤(かんかんがくがく)」、「喧喧諤諤(けんけんがくがく)」を、とりあげます。(うそ)
« 「禁断のトリビア」と「お年玉トリビア」 | トップページ | ジャイアンリサイタルと落語「寝床」 »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- ルール通りに3列に並んだせいで、山手線新宿駅のホームで突き飛ばされた話(2025.02.19)
- 問い合わせに対する見事な対応(東急バス、京急バス、小田急バス)(2022.11.27)
- 年に一度のテスト(2021.09.04)
- カブトムツの森(2019.12.22)
- 禁煙の駐車場でも、車内でなら吸ってもOK(2019.10.06)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 小僧寿しの由来は志賀直哉の『小僧の神様』・・・なのか?(2021.12.28)
- 「エレガントな問題解決」演習問題 2.1.27(d)の解答(辺の長さ1の四角錐と正四面体の貼り合わせ)(2017.02.01)
- 「エレガントな問題解決」演習問題 2.1.27(a)の解答(5つの10年区切りを生きたマーサの年齢)(2016.12.14)
- 「エレガントな問題解決」演習問題 2.1.25の解答(分母が3つの項の積になっている数列の和)(2016.11.17)
- 「エレガントな問題解決」演習問題 2.1.22の解答(コーヒーとミルクの割合)(2016.11.15)
コメント