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2012年2月25日 (土)

平均の意味が分からない大学生のために図示してみました

日本数学会が実施した大学生数学基本調査の結果を見て、「ゆとり世代の数学力低すぎ!」とか、私が思っていないことは、こちら↓のエントリを読むと分かってもらえると思うのですが、

そういうあなたは「平均」の意味が分かるかい?

ピンとこない方のために、図示してみました。本エントリは、小学6年生向けにアレンジされております。(うそ)

大学生数学基本調査の平均の意味を問う設問
日本数学会の大学生数学基本調査より

100人の平均値が163.5cmという時に、どういうことが言えるか、言えないか。

(1) 身長が163.5 cm よりも高い生徒と低い生徒は、それぞれ50 人ずついる。

となるか?ということですが、分布が左右対称なら、平均より低い数と平均より高い数は同じになるのですが、普通は、そうはいかないですよねえ。

簡単のために、数を10にしてみます。

例えば、
161cm、161cm、161cm、161cm、161cm、
161cm、161cm、161cm、161cm、186cm

の10人の平均は163.5cmですが、163.5cmより低い人が9人、高い人が1人です。布袋さんみたいな人が1人いると、こんなことになってしまいます。

ヒストグラムはこんな感じ↓

中央値と平均値が異なる例

上記の例だと、(3)の設問の、

(3) 身長を10 cm ごとに「130 cm 以上で140 cm 未満の生徒」「140 cm 以上で150 cm 未満の生徒」・・・というように区分けすると、「160 cm 以上で170 cm 未満の生徒」が最も多い。

上記の条件を(たまたま)満たしていますが、反例は簡単に思いついて、

152cm、152cm、152cm、152cm、152cm、
175cm、175cm、175cm、175cm、175cm

の10人は、やはり平均は163.5cmですが、

最頻値を含む階級と平均値を含む階級が異なる例

「160 cm 以上で170 cm 未満の生徒」の階級には1人もいません。

平均の数値が分かっていても、分布については何の情報もないですからね。内訳がどうなっているかは、全く分からない。

平均月給100万の会社に入ってみたら、社長の給料だけ異常に高かった。みたいな。

ちなみに、今回のヒストグラムは「R」というフリーの統計ソフトを使って書きました。

例えば

身長
161
161
161
161
161
161
161
161
161
186

という内容のCSVファイル "data.csv" (列が1つなのでカンマないけど)を作って、

    生徒<-read.csv("data.csv")

って読み込んで、

    hist(生徒$身長)

ってやれば、ヒストグラムを書いてくれます。

階級を指定したければ、

    hist(生徒$身長, breaks = seq(150,200,10))

とか。(150から200まで10きざみで、の意)

データもランダムで自動生成したいなら、

    身長 <- rnorm(100, mean=163.5, sd=5)

(正規分布に従って、100個のデータ、平均163.5、標準偏差5、の意)

のあとに、

    hist(身長)

と打てば、↓こんな感じ。

R_hist1

慣れると、excelよりも楽ちんです。

Rによるやさしい統計学
Rによるやさしい統計学

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