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2012年3月11日 (日)

震災とAVと風俗(『恋する原発』を読んで)

話題の本は、「え、今頃?」ってタイミングで読むタイプです。順番が回ってこないんですよね、図書館で借りようとすると。

でも、今回の本は、ちょうど一年目のタイミングでした。

恋する原発

タイトルを見た瞬間、不謹慎な匂いがするでしょ。で、読んでみると、あなたが想像する以上に、不謹慎で、下品で、音読するのには、はばかられるような言葉がいっぱい出てきますよ。

↑ってなことを書こうと思いつつ、amazonのレビューを見ていたら、

前評判を耳にしてどれだけ不謹慎かと思ったが、そうでもなかった。むしろ高橋源一郎作品としてはまともな方に入る。

なんてことが書いてあって、やんちゃ自慢をされているような、そんな微妙な気分になった。

私は、高橋源一郎氏を知らなかったので、十分に刺激的でした。こんな本が出版できるんだなあと。

図書館で借りたので知らなかったのですが、帯には

「大震災チャリティーAVを作ろうと奮闘する男たちの
愛と冒険と魂の物語!」

って書いてあったそうです。

読むと分かるのですが、これ、ウソです。

担当者も困って、第一印象で拒絶されないような感じにまとめたんだろうなあと。

↓これを思い出した。

千野帽子 「働く大人」の文学ガイド

(本の売り文句に関して)
『変身』のような本だと、編集部がさんざん頭をひねって、嘘でない程度にどうでもいいことを狙って書く必要が出てくる。〈現代人の不安と孤独〉とか〈孤独な人間の実存的体験〉というのは、要するに編集部がさんざん頭をひねって、嘘でない程度に狙って書いたどうでもいいことなのだ。

『恋する原発』をパラパラとめくってみると、

高橋源一郎「恋する原発」

高橋源一郎「恋する原発」放送禁止用語だらけ

高橋源一郎「恋する原発」天皇陛下のくだり

こんな感じだもんなあ。この内容について帯を書けっていわれても、困るよね。

そして、↓こんな経緯もあったらしい、

『恋する原発』は『あり』or『なし』? - Togetter

(作者の高橋源一郎氏のツイート)
「上」の判断で、急遽、掲載が見合わされることになりました。

なワケは、震災や原発より、むしろさっきの3つ目だったりして。

あ、でも、こんな感じだけど、ちゃんとした真面目な内容の本なんですよ。

書評は↓こんなのがあった。

【書評倶楽部】落語家・桂文珍 『恋する原発』+(1/2ページ) - MSN産経ニュース

【記憶に残る3冊】大震災を機に資本主義体制を再考 作家 島田雅彦さん

そういや、文珍さんの書評を産経新聞(紙)で読んで、この本を借りる予約したんだった。ありがとう、文珍。

思うんですよね。いろんな職業の人が、その職業を活かして、チャリティーとか復興に携わっているじゃないですか。例えば、女川の蒲鉾屋さんの高政は蒲鉾配ったり、アーティストはチャリティーのコンサートやったり。

だから、「大震災チャリティーAV」なんてのも、その延長線上にあるはずなのに、そっちの話をテーマにした瞬間に感じる、この違和感。これは何なんだ。

隠蔽されて触れられないままでいるものの多さ、みたいな。

数日前、ラジオ J-WAVEの「JAM The World」って番組の津田大介氏の日に、被災した風俗街としての小名浜を特集してたんですが、テレビじゃなかなかこういうことやってくれないですからね。

なぜ小名浜でソープ街が発展したのかとか、震災後はお湯を確保するのが大変でした、とか貴重なインタビューがあって、いい番組だなあと思った。

ネットにも面白い記事があった↓

福島県小名浜ソープ街の復興具合 - メンズサイゾー

震災直後、日中は被災者のために浴室を開放したりしていたそうです。いい話じゃないですか。

いわき市にボランティアに来た方などの利用が増え、写真週刊誌「フライデー」(講談社)の特集にも取り上げられたように、福島第一原子力発電所で作業に従事されている方も利用されているようです。また、地元の方に伺った話では、東京電力の社員の方も利用されているとのことでした。

ここでの「利用」が、入浴自体が目的なのか、本来の用途なのかは判然としませんが(いや、しているか)、そんなことが気になってしまうということは、まだまだ世の中が分かっていない、ってことなんだなあと思っています。

恋する原発
恋する原発

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