星新一「ネコ」とトキソプラズマとドーパミン
星新一の「ネコ」と言われても、読んだかどうかも覚えてないくらいの記憶の薄れ方だったのですが、「やっぱり読んでいた」と再確認したのは、↓この本を書店で見かけた時。
読解力がグングンのびる! 齋藤孝のゼッタイこれだけ!名作教室 小学2年(上)
小学2年生向けの読書案内的な本に、星新一(収録されている作品は「ネコ」)をあげるところがにくい。ショートショートだから、長さは小学校低学年の忍耐の範囲だろうし、難しい言葉に解説をつけたり、多少言葉を補ったりしてあげれば問題なく読めるでしょうし。
で、ネタバレになってしまいますが、宇宙人が地球にやってきて、支配者のインタビューを取ろうとしていて、最初は人間が支配者だと思っていたんだけど、猫を話を聞いてみると事情が違う。飼い主は猫を飼っているつもりだけど、猫からしてみれば、飼い主は、せっせと働いて家や食べ物を提供してくれる召使みたいなもの、という視点が面白い話。
で、その後、↓この記事を読んで、「ネコが支配者」という発想が再び想起されたんですよね。
ネコが人を元気にする科学的な根拠:日経ビジネスオンライン
猫が持っている寄生虫(トキソプラズマ原虫)に感染したネズミは、ドーパミンが分泌が促進され、恐いもの知らずな行動を取る。そして、猫に捕食されやすくなるらしい。
寄生虫経由でネズミの脳をコントロールするという生存戦略。ゾクゾクっときた。
で、このトキソプラズマには人も多数感染していて(ウィキペディアによると「世界人口の3分の1」。要出典のタグがついてはいるけど)、人間の性格にも影響を与えているんではないか、という研究があるそうです。
家に帰ると可愛い飼い猫が待っている。それを見ると、明日も仕事を頑張れる、なんてあなたは、もしかしたらネコにコントロールされているのかもしれません。
♪タララララン、タララララン(注:世にも奇妙な物語のテーマ)■
[2012年9月25日追記]
↓こちらはもう少し真面目なお話。猫を飼っている妊婦さんには深刻な問題ですからねえ。
飼い猫のトキソプラズマが妊娠時に与えるリスクを正しく評価する - 急上昇ワードな理由
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