筒井康隆「時をかける少女」は、けっこうラノベだった
小林聡美さんのことが好きなので、映画「転校生」をレンタルDVD店で探したのですが見つからず(ほんと、ジャンルじゃなくてアイウエオ順にしてほしい。ジャンル名「ドラマ」とか意味分からない)、邦画のあたりをうろうろしていると、同じく大林宣彦監督作品の「時をかける少女」を発見。
小学生の時に見ました、なつかしい。と思いつつ借りました。
知世ちゃんを含め、高校生役たちの演技が微妙で、これは「ヘタ」なのか? いや、演出なのか? と迷いながら見ました。
クライマックスの、カクカクが好きです。(←見た人は分かる) 真似したくなります。
映画を見たら、原作を読みたくなりました。これまた30年近く前に読んだっきりです。
当時、私が読んだのは↓この表紙でした。(10代の頃の原田知世ちゃん!)
でも、図書館で借りたやつの表紙は↓これでした。
電車で読むのが少し恥ずかしいぞ。
それはさておき「時かけ」(「時そば」みたいだ)の表紙について検索していると、角川文庫版の最初の版の表紙がすごいことになっていたという事実が判明しました。
じゃん↓
時をかける少女(1976年 角川文庫版)
「少年ドラマシリーズ」原作本・掲載本 より
上記の写真ではよくわかりませんが、「時をかける少女」文庫版 表紙の変遷という動画を見てみると↓
タイトルの上部に「SFジュブナイル」と銘打たれています。「ジュブナイル」というジャンル用語は最近はあまり使われず、「ライトノベル」という用語に置き換わった感がありますよね。(当時の「ジュブナイル」と、現在の「ライトノベル」は厳密には違うんでしょうけど)
最近、あの筒井康隆がついにラノベデビュー!みたいな感じで話題になっていますが↓
21世紀版「時をかける少女」!? 筒井康隆がラノベデビュー | ダ・ヴィンチ電子ナビ
実は、すでに30年以上前にラノベ的な作品を書いていたという。
「理科教室の黒い影」みたいに、各章にタイトルがついているあたりもジュブナイルっぽい。
文庫本には、「時をかける少女」、「悪夢の真相」、「果てしなき多元宇宙」の3つの短編が収録されていて↓
私は「悪夢の真相」も、お気に入りでした。
恐怖、記憶、潜在意識などの心理学的なテーマを扱ったもので、当時の記憶ではすごくシリアスな印象があったのですが、今読んでみると、やっぱり結構「ライト」です。
なぜ、当時ライトに感じなかったかというと、私がまだ小学生だったからでしょうね。小学生だった私は、はさみを持った女とか、廊下に転がる男のクビとか、本気でちょっと恐かったです。
そして、自分が夜中にトイレに行く時に感じる恐怖も、同じような原因があるのだろうかと、おぼろげに考えておりました。
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コメント
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はじめまして。
「時かけ」で検索してこちらにお邪魔しています。
あの、「時かけ」の初版は1976年ではありません。
もっと昔、雑誌連載は1965年で、初版は1967年ですよ。
投稿: 佐原千恵子 | 2015年9月28日 (月) 14時58分
to 佐原さん
コメントありがとうございます。
ご指摘の通り、初版は盛光社から1967年に出ていて、写真を載せているものは1976年に出た角川文庫版でしたね。引用元のリンク先には両方の写真が載っていました。
「角川文庫版の初版」という言い方をできなくもないですが、語弊がありますので、本文は訂正しておきました。
初版って、↓こんな感じで箱入りのシリーズものだったんですね。(復刻版のページですが、オリジナル版の写真が載っています)
盛光社 《ジュニアSF》全10巻復刻(予約は昨年12月31日で終了) : プロジェクト : SFWJ50
http://sfwj50.jp/projects/jsf/
投稿: 管理人 | 2015年9月29日 (火) 04時44分
ありがとうございます!
実はわたしはNHK少年ドラマシリーズをリアルタイムで見ていました、そんな世代なのです♪
それにしても原作では男子が女子に「○○くん」、女子が男子に「○○さん」と呼んでいて、良き昭和の時代って感じしますよね。
投稿: 佐原千恵子 | 2015年10月 1日 (木) 02時21分
コメントありがとうございます。
「少年ドラマシリーズ」を知らない私は、ウィキペディアでチェックしてみました。「タイム・トラベラー」(原作「時をかける少女」」)は、1972年放送ですか。ということは、私よりお姉さんですね。
1979年の「七瀬ふたたび」が気になります。七瀬シリーズは、小中高と同じ学校だった松崎君が、たしか中学時代に文庫本を貸してくれて、読んだ記憶があります。
投稿: 管理人 | 2015年10月 7日 (水) 20時17分