読書家は電子書籍リーダーなんか買わない
タイトルはちょっと大げさ目につけてありますが、それにしても、「電子書籍リーダー」ってどんな人が買っているのかあまり想像がつかないんですよね。
本を読むための端末ってことは、やっぱり読書量の多い人をターゲットにしているんでしょうか。
本ってそれなりに高いじゃないですか。しかも、かさばるじゃないですか。だから、「週に数冊」みたいなペースで読む人って、なんらかの解決手段をすでに見つけているんじゃないかと思うんですよ。
買ったらすぐ読んで、すぐに古本屋に売って、一冊当たりの負担を軽くするとか。
新刊は高いし、かさばるので、文庫になるまで待つとか。
で、私がいたった結論は、基本的には本は買わない、図書館で借りる、だったりします。そして、何度も読み返すような、どうしても手元に置いておきたいものだけ買います。
何が言いたいかといいますと、読書量の多い人は、価格の問題や、かさばる問題に対しては、すでにある程度対処済みなので、書籍の電子化によってそれほど恩恵を受けないんじゃないかと。
物理書籍に比べて多少安かったりもするみたいですけど、誤差みたいなもんですし。電車の中で読むにしても、文庫本の方が利便性が高そうだし。あと、物理的な紙の本自体に愛着を持っているような人も多いですからね。
総合すると、今の段階で電子書籍リーダーを買っている人って、読書好きという理由からというよりは、新しもの好きな性質を持っている人というか、イノベーションにお金を払ってくれるようなタイプの人だけじゃないかと。
そして、その利便性に魅力を感じなければ、執着せずに、けっこうあっさり見限るような。
今の電子書籍リーダーは、そういう層にしか売れてない状態から脱却できてないような気がします。
文庫本よりかさばる現状のリーダーは、本好きの人をぐっと惹きつけるような要素があるような気がしないんですよね。かといって、紙面の表示にはある程度の大きさが必要だから、技術革新が進んだからといって、リーダー自身をそれほど小さくもできないだろうし。結局、スマホか何かでの、+α的な用途の一つというのが限界なんじゃないかと。
で、私が電子書籍に強く望んでいるものは、価格とか省スペースとかではなくて、検索性だったりします。
世の中のすべての書籍を全文検索できたらなあっていつも思うんですが、著作権の関係でそう簡単にはいかないですよね。
でも、せめて自分が購入して所有している本に関してくらいは、バリバリと全文検索をしたい。それが非常に利便性高く実現できるなら、電子書籍に対してお金を出してもいいという気がします。紙の本にはできないことだから。
今の電子書籍の検索機能ってどんなもんなんでしょうね?
私がイメージしているのは、端から全文をなめて、キーワードを見つけるようなものじゃなくて、GoogleのWeb検索みたいな感じで、あらかじめインデックス化されたものから高速で結果を返すもの。条件も指定できて、ジャンルでしぼったり、書籍の出版年、自分が購入した日付など、細かい条件でフィルタリングがかけられる。
「どっかで聞いた覚えのある話なんだけど、今までに自分が読んだ本に出てきた内容だったろうか?」って時に、検索して、見つけ出して、すぐに該当箇所を参照したり、自分の書く文章に引用できたりする。
文章を書く仕事をしている人とか、研究者とか、そういう人にとっては、かなり魅力的な用途だと思うんですよね。電子書籍のプロモーションは、この線で押してみてはどうでしょうか?
最近のコメント