莫言先生の『赤い高粱』全編が読めるのは「現代中国文学選集」だけ
中国の作家の莫言氏が2012年のノーベル文学賞をとりましたよね。そして、代表作としてよくあげられるのが『赤い高粱』ですが、この『赤い高粱』を読もうと思うと、手に入りやすいのは、↓こちらになると思います。
でも、この岩波文庫版って、「紅高粱家族」(赤い高粱一族)の全5章のうち、1章、2章しか収録されていないんですよね。
で、3章、4章、5章を読みたいと思ったら、徳間書店の「現代中国文学選集 12」くらいしかなく、しかも、これが絶版になっていて、アマゾンのマーケットプレイスで高値がつけられていたりします。
諦める? いえいえ、こんな時こそ図書館でしょ。君は何のために高い税金を払っているんだ。
というわけで、川崎市立図書館で
現代中国文学選集 6 ・・・ 1章、2章
現代中国文学選集12 ・・・ 3章、4章、5章
2冊セットで借りてみました↓
目次はこんな感じ↓
現代中国文学選集6の目次
第一章 赤い高粱
第二章 高粱の酒
現代中国文学選集12の目次
第三章 犬の道
第四章 高粱の葬礼
第五章 犬の皮
で、読み始めてしんどいなって思ったのが人名ですね。見ただけじゃ男か女か分からないし、ものによっては人名かどうかもピンとこない。まあ、文脈から読みとれるといえばそうなんですけど、太郎と花子みたいにはいかないですよね。
そのへんは考慮してくれていて、冒頭に登場人物の一覧をつけてあったりします↓(クリックすると画像が拡大します)
「〇子」って名前でも、男の場合と女の場合があるんだなあ、なんて感心したり。
思えば、中国の作家の小説って読んだことなかったなあと。中国モノも読み慣れれば、人名とか男女の別とかも分かるようになるんでしょうか。「マイケル」が男だってすぐ分かるみたいに。
「文学賞受賞!」とかっていうと、テレビでも取り上げるし、大抵、本も売れて、図書館の予約待ちも一気に増えたりするんですが、今回、莫言氏の本は予約待ちはそれほどでもなく、案外すぐに借りられました。
日本ではそんなに盛り上がらなかったのは、↓こういう情勢も関係してのことでしょうかね。
莫言氏の快挙に中国ネットで愛国心むき出し「日本打ち負かした」:イザ!
とはいえ、当の莫言さん自身は、
毛教授によると、莫言さんは約10回も来日し、温泉と刺し身が好きという親日家。
(ノーベル賞:文学賞に莫言氏 「中国が認められた」 「日本に勝った」の声も- 毎日jp(毎日新聞) より)
だそうで、小説に悪い日本兵が登場するからと言って、日本嫌いなわけじゃないですからね。
・・・なんて、本編と関係ないことばかり書いているのは、まだ読んでいないからだったりします。
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