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2013年4月27日 (土)

チェッカーの電王戦 (カート・ヴォネガット・ジュニア著『プレイヤー・ピアノ』)

将棋界が大変なことになっているのは、↓ご存じの通り。

第2回将棋電王戦敗北、将棋連盟の次の一手は:イザ!

で、ちょっと話はそれるんですが、人間とコンピュータがテーブルゲームで対戦しているのを見ると、カート・ヴォネガット・ジュニアの『プレイヤー・ピアノ』↓のある場面を思いだすんですよね。

プレイヤー・ピアノ (ハヤカワ文庫SF)
プレイヤー・ピアノ (ハヤカワ文庫SF)

ヴォネガットといえば、『タイタンの妖女』で有名なあの作家です。

この「プレイヤー・ピアノ」で人と機械が戦ったのは、(もちろん?)将棋ではなくて、チェッカーというゲームです。

主人公のポール・プロテュース博士はチェッカーの名人。パーティの席でちょっとした「チェッカーの選手権試合」を催すことに。

ポールのチェッカーの腕前は相当なもので、負ける気ゼロだったんですが、サプライズで↓こんなものが登場。

カート・ヴォネガット・ジュニア著『プレイヤー・ピアノ』
チェッカーチャーリー登場の場面(PDF)

「チェッカー・チャーリーのお通りい! チェッカー・チャーリーに道をあけてください!」 べリンジャーの介添人たちが、ロビーからさけんだ。

 娯楽室の中の群集が二つに分かれると、三人はベッドシーツをかぶせたおとなの背丈ぐらいある箱を押しだしてきた。下についた足車がごろごろと鳴った。

「その中に人間がはいってるのか?」 クローナーがいった。

「脳髄ですよ、脳髄」 べリンジャーが誇らしげにいった。「チェッカー・チャーリー、いまやあまたの新惑星の征服をめざす、チェッカーの世界チャンピオン」 ベリンジャーはシーツの端をつかんで、除幕式をおこなった――チャーリーは、前面のパネルにチェッカー盤の描かれた、灰色のスチールの箱だった。チェッカーの駒が動くはずの桝目には、そのかわりにそれぞれ赤と縁の豆ランプが一個ずつ埋めこまれていた。

これに対し、ポールは↓このように反応します。

(対戦する前に)
ポールは立ちあがった。 「参りました」と彼はいった。

場がしらけないように奥さんのアニータが口を出します。

「あなた」 アニータが彼の袖をつかんだ。 「ねえ、そんなことをいわずに。あなたらしくないわ」

「あんなものを相手に勝てっこないよ。むこうはミスをしようにもできないんだぜ」

「すくなくとも試合だけはしてよ」

「それでなにを証明するんだ?」

チェッカー - Wikipedia によると、

世界初のコンピュータチェッカーは、アーサー・サミュエルが IBM 701 上で開発した Samuel Checkers-playing Program である。

とあって、IBM 701 - Wikipedia によると、

IBM 701は、1952年に発表されたIBMの初の商用コンピュータ。

そして、この1952年という年は、作品「プレイヤー・ピアノ」が発表された年だったりします。

ちなみにチェッカーに関しては、ウィキペディアによると、

2007年にアルバータ大学のシェッファーを中心とした研究グループによって、プレイヤー双方が最善を尽くした場合、必ず引き分けに至ることが証明された。

とのこと。

つまり、(適切なアルゴリズムを実装した)コンピュータには絶対に勝てないことが分かってしまいました。

将棋もいずれこんなことになってしまうんでしょうか・・・

タイタンの妖女
タイタンの妖女

人間に勝つコンピュータ将棋の作り方
人間に勝つコンピュータ将棋の作り方

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