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2014年8月23日 (土)

村上春樹『ドライブ・マイ・カー』『イエスタデイ』の単行本での変更内容

自治体の図書館で借りるのが常なので、予約が殺到するような話題の本は、すっかり話題じゃなくなった頃に読むのが私の流儀。

で、最近届いたのが、村上春樹の短編小説集「女のいない男たち」。タイトルを見て、なんだ俺のことか、と思う人も多いかもしれませんが、たぶんそんな感じでありません。「先生! 嫁は女に入りますか?」

戯言はさておき、まえがきを見て、ほう。

最後になるが『ドライブ・マイ・カー』と『イエスタデイ』は雑誌掲載時とは少し内容が変更されている。

ドライブ・マイ・カーの方は話題になっていたので↓

中頓別町 → 上十二滝町 と変更(村上春樹「ドライブ・マイ・カー」): 主張

知っていたのですが、他にも変更が入った作品があったのね。

前書きには、↓こうありました。

『イエスタデイ』については、歌詞の改作に関して著作権代理人から「示唆的要望」を受けた。僕の方にももちろんそれなりの言い分はあるけれど(歌詞は訳詞ではなく、まったく無関係な僕の創作だから)、ビートルズ・サイドとトラブルを起こすのはこちらの本意ではないので、思い切って歌詞を大幅に削り、問題が起きないようにできるだけ工夫した。

作品を読んでないと、この前書きを読んでもピンとこないですねえ。『イエスタデイ』の書き出しを見てみると、

僕の知っている限り、ビートルズの『イエスタデイ』に日本語の(それも関西弁の)歌詞をつけた人間は、木樽(きたる)という男一人しかいない。彼は風呂に入るとよく大声でその歌を歌った。

  昨日は/あしたのおとといで
  おとといのあしたや

始まりはそんな風だったと記憶しているが、
(以下略)

という感じ。この関西弁の歌詞にあたるところに、もっと多くの歌詞が書かれていたのだろうか?

巻末を見てみると、初出に

  「イエスタデイ」    「文藝春秋」 2014年1月号

とありますので、↓これを入手すれば判明します。

文藝春秋 2014年 01月号 [雑誌]
文藝春秋 2014年 01月号 [雑誌]

幻のオリジナル版と入手しておくのも、ハルキストには悪くないかもしれません。

歌詞部分だけ見たいなら、引用しているブログ↓で確認できます。

村上春樹の「イエスタデイ」 削除された替え歌を公開!

ふむ、なるほどなるほど。

歌詞冒頭のような言い回しがほぼ繰り返される感じですね。村上氏が「歌詞は訳詞ではなく、まったく無関係な僕の創作だから」と言うのも納得できます。共通点といえば、彼女が(おそらく昨日)いなくなってしまったというあたりだけですね。

こんなんで著作権振り回されたらかなわないって気がします。でも、読者の頭の中には、ビートルズのあの「イエスタデイ」のメロディが流れているわけで、こういう場合の著作権ってどうなるんでしょうねえ。

どちらも小説の本質とはそれほど関係のない箇所なので、テクニカルな処理によって問題がまずは円満に解消してよかったと思っている。ご了承いただきたい。

村上さんはうまく対処しましたね。揉め事起こしている暇なんてないでしょうし。

もし読者がオリジナルを読みたいと思えば入手する方法もありますし、文庫版が出てその改訂版が数回出る頃には、完全版として出版されるんじゃないでしょうか。

ポールの紡いだ言葉の著作権は切れ、そして中頓別町の人も考えを変えている頃なんじゃないでしょうか。そして、くだんの政治家は普通の人になっていることでしょう。

女のいない男たち
女のいない男たち

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