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2015年1月 2日 (金)

ビール類の酒税一律化で、本搾りチューハイも増税される?

↓こちらのニュースは話題になっていたので、ご存知の方も多いはず。

ビール類 酒税一律55円で調整 来年度は見送るが、28年度以降5~7年で実施(1/2ページ) - 産経ニュース

すぐにというわけではないけど、将来的にビール類の税率を統一していこうという動きです。

350ml缶でいうと(以下、小数点以下は四捨五入してます。「約」の表記も省略)、現状は下記のように異なるものを、一律55円にしてしまおうというものです。

 【現状 350mlあたり】
 ビール    77円
 発泡酒    47円
 第3のビール 28円

「一律化です。上がるのもあるし、下がるのもあります」な体(てい)を装いつつ、全体としてみると、増税になっているという常套手段です。

それはさておき、私が懸念しているのは、チューハイ類へのとばっちり増税です。

ニュース記事では、分かりやすいように「ビール」「発泡酒」「第3のビール(=新ジャンル)」という表記になっていますが、酒税上の分類がこうなっているというわけではありません。

3種のビール系飲料の分類は、下記に該当します。

ビール・発泡酒・第3のビールの酒税の税率(財務省)
酒税の税率 : 財務省 より

発泡性酒類では、条件なし(ビールが該当)が一番高く、麦芽を減らす(発泡酒が該当)と段階的に安くなり、麦芽を使わない(第3のビールが該当)と一番安くなるという構造です。

飲む側の感覚に合うように、1リットルあたりの酒税額に書き直してみました。

 発泡性酒類(条件なし) 220円
 発泡酒(麦芽25~50%) 178円
 発泡酒(麦芽20%未満) 134円
 その他の発泡性酒類    80円

上記の数字に0.35をかけると、350ml缶にかかる酒税額になりますね。

 220円 × 0.35 = 77円(ビール)
 134円 × 0.35 = 47円(発泡酒)
  80円 × 0.35 = 28円(第3のビール)

というように、ニュース記事の数値とも一致しますよね。

で、気になるのはチューハイの類って、たぶん上記の「その他の発泡性酒類」に分類されていて、もし増税対象(一律55円)のくくりが「その他の発泡性酒類」となった場合には、チューハイも一緒に増税されてしまうのではないかというところです。

そのようになるかどうかは、ニュース記事だけからだと判然としないんですよね。

ニュース記事では「ビール類」となっていたので、素直に読めばチューハイは対象外ということになります。でも、現状の酒税の分類でいうと、第3のビールとチューハイは同じカテゴリに入っている。両者の酒税率を異なるものにするには、分類をさらに細かく分ける必要があります。

そうなると、「ビール類とは何か」みたいな観点の分類が必要になりますよね。糖類の量なのか、穀類や果実の利用状況なのか、かなり複雑な分類になりそうです。

それに、相対的に税率の低いカテゴリを残しておくと、そのカテゴリに入るようなビール系飲料が開発されてしまうなど、今までと同じ道を歩むことになってしまう可能性を残してしまいます。

なんてことを考えると、今度の酒税見直しで、チューハイ系も一緒くたに増税してしまえみたいなことになるのではないかと睨んでいます。もしかしたら、どうするかはまだ決まっていないのかもしれません。心配で心配で、しらふではいられません。

ちなみに、記事タイトルに「本搾りチューハイ」をあげたのは、単に私が愛飲者であるという理由からだったりします。

キリン 本搾りチューハイグレープフルーツ 350ml × 24缶
キリン 本搾りチューハイグレープフルーツ 350ml × 24缶

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