オライリーの数学本「エレガントな問題解決」
本は滅多に買いません。まず図書館で借りて、読み終わるか期限が来るかして、返して、そのあと「やっぱり、この本が欲しい」と思ったものだけ買っています。年に数冊あるでしょうか。
その1冊が↓これでした。
タイトルだけ見ても何の本だか分かりにくいと思います。数学における「問題解決」なんですよね。
原題は "The Art and Craft of Problem Solving" なので、邦題よりは伝わりやすいかも。それでも、数学(Mathematics)という言葉は出てこないですよね。直訳すると「(数学の)問題を解く上での、技術、技巧、技能」という感じでしょうか。
"Art" も "Craft"も日本語に訳すのは難しそうですね。芸術が "art" なのは馴染みがあるとして、武道も "art" だもんなあ("martial arts")。
なので、「エレガント」にしたのでしょうか。このへんは個人差もあると思いますが、エレガントという響きにエレガントさを感じない人も結構いるのではという懸念も。
仕事で使っているわけじゃないけど、数学が好きって人は多いと思います。そういう人って、問題を解くのが好きだったりするので、ある特定の分野(「線形代数」とか「微分積分」とか)の書籍よりも、「問題の解き方」という切り口や分類で書かれたこの本のコンセプトが刺さるんじゃないかと思います。
この本の特徴は、演習問題の解答が載っていないこと。
なので、↓こんな感じの議論に発展したりする。(本文ではなくコメントでの盛り上がりぶりを参照のこと)
「エレガントな問題解決」の解答が判らない | okkyの日記 | スラド
from p.28
2.1.21 嫉妬深い教授たちが・・・
の演習問題についての深読み具合が、なんだかおかしくなっています。
「自分の給料についての情報以外の情報は何も得ずに」という条件を厳密に捉えて、「(この条件では)平均を求めることは出来ない」っていう解答を書き込んでいたりして。
もうね、みんな考えすぎ。
最初の方に載っている演習問題だし、そんなにひねった解答は要求されていないと思う。ブログ記事の著者さんの答えでも十分なんだと思う。ただ、著者が意図した、もうちょっと単純なやり方はあるんだろうけど。
まあ、そういうのも含めて、正解を得ることよりも、解こうとして考える過程が大事なんだっていう、本書のコンセプトにピッタリのリアクションだったりしますけど。そういう意味でも、やっぱり良書ですなあ。
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