宇多田ヒカルの↓このツイートが、テレビとかでもたびたび取り上げられていましたね。
もし学校の授業で私の曲を使いたいっていう先生や生徒がいたら、著作権料なんか気にしないで無料で使って欲しいな。
ヤマハやカワイがやっている音楽教室でのレッスンに対して、著作権料を徴収するという↓このニュースに対してのツイートですね。
音楽教室から著作権料徴収へ JASRAC方針、反発も (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
で、営利企業が行っている有料のレッスンと、学校の授業は全然性質が異なるものなので、今回のヒッキー(←10年ぶりくらいに言ってみた)の発言はちょっと筋違いだったりします。
実際、宇多田ヒカルの曲はすでに↓教科書に載っているみたいですし、
北日本新聞-田中さん、教科書に登場 イチロー、ヒカルも
音楽は宇多田さんのバラード「FINAL DISTANCE」が初のお目見え。編集した教育芸術社は「高校生になじみが深く、歌いやすい曲を選んだ」と説明する。
きっと、宇多田ヒカルが言っている「学校の授業」の現場では、「著作権料なんか気にしないで無料で使って」いるんじゃないかと思います。(もちろん教科書は買っているだろうけど)
で、今回、それはさておき、JASRACの徴収方針に何か思うところがあるのなら、つぶやくよりも、ちょっとした行動をおこしてみてはどうかという、ご提案です。
ジャスラックの管理局のデータベース↓で調べると分かりますが、
作品データベース検索サービス
宇多田ヒカルは、自身の著作曲の管理をジャスラックに委託しています。ジャスラックは著作権料を集めて、宇多田ヒカルにも分配しているわけです。そういう関係性でありながら、批判を匂わせるようなツイートをして、背後から銃を向けるようなことをするのは、どうかと思います。
銃は、背後からではなく正面から向けてはどうかと。
現状ジャスラックに委託している著作曲の管理を引き上げてしまって、他の会社、例えばNexTone(ネクストーン)なんかに委託してみてはどうかと。なんら批判的な発言などしなくても、抗議の意思は十分に伝わると思います。
で、そうすれば、楽器のレッスンで宇多田ヒカルの曲を練習している生徒さんに、(企業からレッスン料金への転嫁という形で)金銭的負担が及ばないかと言うと、そうではなかったりしますが。
今回、JASRACがやろうとしているのは、レッスンでこの曲を使ったからいくら、誰の曲を使ったからいくら、という形ではなく、丼勘定で「年間受講料収入の2・5%」を徴収しようというものですからね。
宇多田を練習している生徒へも、PPAPを練習している生徒へも、モーツァルトを練習している生徒へも、転嫁は及ぶことでしょう。
最後にちょっと著作権法のことに触れておこうかと。(ちなみに私は法律の専門化ではありませんが、日本語は読めるつもりです)
著作権法の第22条には、
著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。
とあります。
宇多田ヒカルの曲を歌ったり演奏したりする権利を持っているのは、まず、宇多田ヒカルのみ(専有)である、と。ただ、もちろんそれを他人に許諾してお金を取ることもできます。
ねえ、宇多田さん。あなたの曲を演奏させるか、一切させないか、お金を取るか、取らないか、ぜーんぶ、あなたが決めることができるんですよ。
でも、自分でそれをするのはいろいろと面倒なので、JASRACにそれを委託した。JASRACは委託を受けて、あなたや他の著作権者の持っている権利を振り回し使用し、みかじめ料著作権料を集めているだけですから。
ツイートするだけではなく、今が行動を起こす時じゃないですかね。
「変えられないものを受け入れる」こともできるのでしょうが、あなたが「ちょうだいよ」と歌っていた、「受け入れられないものを変える力」を、あなたは持っているんじゃないかと、私は思うんですけどね。(参考: 宇多田もヴォネガットも引用したニーバーの祈り: 主張)
私が引用した宇多田さんの歌詞について、JASRACが著作権料を請求してこないか、少しドキドキしています。
Wait&See~リスク~
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