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書籍・雑誌

2026年3月12日 (木)

左巻きのロールケーキと右巻きのロールケーキ

『サイレントシンガー』(小川洋子著)という小説を読みまして、そして感想文も書きまして、

登場人物を固有名詞で呼ばない『サイレントシンガー』

本筋とはあまり関係のないとこで、気になってしまい、夜も眠れないのです。うそです。

それはこんな箇所・・・

昨日の午後、製菓棟からおやつにもらった二切れのロールケーキ。アンズジャムが挟んであるそれは、片方が左巻きで、もう片方が右巻きだった。どちらかが完全で、どちらかが不完全だと分かったリリカは、不完全な方を老介護人に食べてもらおうと思った。

「不完全」と言っても、悪い方を渡そうというのではなく、「はぐれものを大切にした人には、その分、幸運がもたらされる」という信念から、リリカは「はぐれもの」が左巻き、右巻き、どちらのロールケーキなのかを考えます。

で、ロールケーキに右巻きも左巻きもないだろうと思ったんですね。だって、裏返せば右巻きが左巻きに変わるじゃないですか。つまり、縦縞のハンカチが横縞のハンカチに変わる(@マギー司郎)のと同じわけです。同じじゃないけど。

で、実は自分が思い違いをしているかもということに気づいたのです。私は袋に入れられ、パッケージングされたロールケーキを思い浮かべていました。なぜかというと、舞台となる「アカシアの野辺」の販売所で、リリカはお菓子その他もろもろの販売をしているんですよ。だから、その販売用のお菓子をもらってきたんだと思ったんですね。私のイメージではシンプルな透明の袋に入っている感じ。でも、引用箇所見てもらうと分かるように、そんなことは書いていないので、お皿に載せられたロールケーキをもらってきたのかもしれない。だとすると、置き方で右巻き左巻きが決まるので、当該シーンに不自然さはないわけです。

本なんてものは、大勢の人がチェックして出版されるから、そんな単純なミスはないですよねー。

よくよく考えると、パッケージされていた場合でも、右巻き左巻きを決定できる場合もあるなと思いました。パッケージの片面が明らかに表面(上面)ってときとかですね。こんなやつとか。

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ということで、結論としては「ロールケーキに左右はある!」でした。でも、中道はないぜ。政治はそんなに甘くないってことさ。

 

 

 

2026年1月 2日 (金)

「成瀬の大学生活はゴイゴイスー!」は、ちょっと・・・

こちらの記事を書いたときに思ったこと。

『成瀬は都を駆け抜ける』と琵琶湖疏水

最近は新刊にはかならず帯がついていますね。『成瀬は都を駆け抜ける』にも、もちろんついてました。

ダイアン津田さんのコメントで、

この子やっぱりおもろいな! 成瀬の大学生活はゴイゴイスー!

・・・

・・・

・・・

ちゃんと読みましたか?

帯のコメントは、作者の知らないところで、出版社・編集者側が段取りをするみたいです。本の売れ行きにも関係する(と少なくとも出版側は考えているだろう)から、誰からどんなコメントをもらうかというあたりには、それなりに苦労はしているのでしょう。

別の本の話ですが、「あの、本読みました?」という番組で、帯コメントをもらう際のプロセスを編集者さんが語られていました。本を渡して、「もし、よろしければ・・・」という感じでコメントをもらうことが多いらしいです。

最初から読まずに断る場合もあれば、読んだうえで断ることもあるでしょう。こういうケースでは、報酬も発生していないでしょう。お金が絡まないからこそ、義理人情が絡んでくる微妙な「仕事」です。

「都を駆け抜ける」の帯には4人のコメントが載っていて、最初は舞台化した『成瀬は天下を取りにいく』の主演俳優の山下美月さん、

成瀬が愛おしくて、羨ましくて、誇らしい。―――気づけば涙が滲んでいた。

 

次は、滋賀県出身の漫画家 森田まさのりさん、

読んでて無性に成瀬の顔を描いてみたくなった。小説読んでてこんなの初めてかも!

 

3人目は、京大出身の文芸評論家 三宅香帆さん、

成瀬がいてくれる京大生活を体験できて、嬉しかった! ありがとう成瀬!

 

で、最後がダイアン津田さんの「ゴイゴイスー」ですよ。悲劇案件です。

舞台の主演俳優の山下さんは順当なところでしょう。森田さんは滋賀県出身という繋がりが若干弱めな気もしますが、漫画家ならではのコメントをもらえました。顔の片側がくいっとあがっている、ちっちゃい絆創膏を貼った、喧嘩のあとの成瀬を描いてくれることでしょう。(注:そんなシーンはありません)

今回、京都大学は主要な舞台ですので、京大出身の三宅さんが京大生活を追体験できたというコメントには納得感があります。

そして締めは「ゴイゴイスー」(©ダイアン津田) です。滋賀県出身のお笑い芸人 津田さんが、芸人ならではのコメントをしてくれました。

・・・芸人ならでは?

誰も悪くなかったのかもしれません。みんないい人ばかりなのかもしれません。でも、どこかで歯車が狂ってしまった。そして、津田さんは今日も書店の平積みの上で、スベリ続けている。

もし私が編集側なら、「ゴイゴイスー」はボツです。もし編集者が、「よっしゃ、『ゴイゴイスー』いただきました! これで、いける!」と思っているのだとしたら、職業適性の観点から、リクルートエージェントをおすすめします。

でも、コメントの依頼の仕方が前述のようであったら、コメントをもらった以上、ダメ出しはできないでしょうね。

じゃあ、津田さんがもう少しまともなコメントを出せばよかったのか。いや、もしかしたら、出版社側から「例のアレ、入れてくださいよ」なんて、誘導されたのかもしれない。

というより、現場の編集者も津田さんも「ゴイゴイスー」なんて入れたくなかったのかもしれません。でも、新潮社の上層部がだだっぴろい会議室のふかふかの椅子でふんぞり返りながら、「ダイアン津田? だったら、ゴイゴイスーだろ」と言い放ったのかもしれません。

妄想は尽きませんが、今後 帯のコメントを決める際には最新の注意を払い、今回のような事故が起きないようにしてほしいものです。

もし、私が編集者だったら、全力で以下のコメントを取りにいきます。

もう、琵琶湖の水を止めるなんて言いません。 滋賀県知事 三日月大造

いや、お願いすれば、なんとかなるかも。

 

 

2021年12月28日 (火)

小僧寿しの由来は志賀直哉の『小僧の神様』・・・なのか?

2週間前くらいに出たWIRED(ワイアード)VOL.43を読んでましたところ、「文学から読み解くテクノロジー」という川田十夢氏の連載の中で、ある芸人とウーバーイーツと小僧寿しのゴタゴタに触れていまして、それはさておき、ここで、この小僧寿しの名前の由来が志賀直哉の小僧の神様であることを知りました。

同社が小僧寿しの由来としたのは、志賀直哉の『小僧の神様』である。ここに登場する丁稚奉公する少年のように、謙虚で驕ることのない気持ちでお客様と接してゆきたいという思いが、創業当時は込められていた。

なるほど、「小僧」と「寿司」の組合せといえば「小僧の神様」だ。なぜ今まで気づかなかったのだろう。

で、裏をとるべく、小僧寿しのサイトを見てみると、書かれていました。

我々の社名の由来は、小説家「志賀直哉」が1919年に発表された短編小説『小僧の神様』から。
『小僧の神様』に登場する秤(はかり)屋の小僧、仙吉が、高価なお寿司を食べたくても食べられない人のため、寿司屋になろうという気持ちを抱きます。(後略)

・・・ん? 小僧の神様ってそんな話だったっけ?

寿司を食べたいと思ったり、通りすがりの議員に奢ってもらったり、いろいろ不思議だから神様じゃなかろうかと思ったり、そんなことはあったけど、「寿司屋になろうという気持ちを抱」くなんて場面あったっけ?

というのが気になったので、私が買った当時(昭和末期)は260円だった文庫本を、書庫から引っ張り出してきました。ちなみに、私はカラーボックスのことを書庫と呼んでいます。

寿司に関連して仙吉の心情が描写されている箇所を抜粋。

【一節】
・・・
(番頭たちが鮨屋の話をしているのを聞いて)
仙吉は早く自分も番頭になって、そんな通らしい口をききながら、勝手にそういう家の暖簾をくぐる身分になりたいものだと思った。
・・・
仙吉は「いろいろそういう名代の店があるものだな」と思って聴いていた。そして、「しかし旨いというと全体どういう具合に旨いものだろう」そう思いながら、口の中に溜って来る唾を、音のしないように用心しいしい飲み込んだ。

【二節】
・・・
外濠の電車を鍛冶橋で降りると、彼は故と鮨屋の前を通って行った。彼は鮨屋の暖簾を見ながら、その暖簾を勢いよく分けて入って行く番頭たちの様子を想った。その時彼はかなり腹がへっていた。脂で黄がかった鮪の鮨が想像の眼に映ると、彼は「一つでもいいから食いたいものだ」と考えた。
・・・

【八節】
・・・
(秤屋の客の議員に食べさせてもらったあとで)
これまでも腹一杯に食ったことはよくある。しかし、こんな旨いもので一杯にしたことは憶い出せなかった
・・・
(タイトルの「神様」のくだり)
自分が屋台鮨屋で恥をかいたことも、番頭たちがあの鮨屋の噂をしていたことも、その上第一自分の心の中まで見透して、あんなに充分、御馳走をしてくれた。到底それは人間業ではないと考えた。神様かも知れない。
・・・

【十節】
・・・
彼は悲しい時、苦しい時に必ず「あの客」を想った。それは想うだけで或る慰めになった。彼はいつかはまた「あの客」が思わぬ恵みを持って自分の前に現れて来ることを信じていた。
・・・

んー。「寿司屋になろう」とか、やっぱないじゃん。

というわけで、広報担当のかたなのか、ブランディング担当の方なのか分かりませんが、短い小説ですので元ネタをちゃんと確認してから、社名の由来のページを修正したほうが、ええんちゃうのん?

千原せいじ より(うそ)

 


 

 

2017年2月 1日 (水)

「エレガントな問題解決」演習問題 2.1.27(d)の解答(辺の長さ1の四角錐と正四面体の貼り合わせ)

エレガントな問題解決」からの演習問題。

どの辺の長さも1であるような多面体(多角形の面を持つ立体)が2つある。1つは四角形を底面とするピラミッドであり、もう1つは四面体(四面体とは、4つの三角形を面とする立体)である。三角形の面で、2つの立体を貼り合わせたとする(貼り合わせた面は、ぴったり重なるとする)。この新しい立体には、いくつの面があるだろうか。

つまり、辺の長さが1である四角錐と正四面体(三角錐)があって、双方とも長さ1の正三角形の面を持っていますから、それらを貼り合わせてできた立体には、いくつの面がある? という問題です。

四角錐には、5つの面があります。そして、三角錐には、4つの面があります。

それを貼り合わせると、それぞれから1面ずつ「消費」されるわけで、できあがった図形の面数は、

(5 - 1) + (4 - 1) = 7

つまり、7つの面がある。

・・・とやると、見事にひっかかったことになります。

上記みたいに、素直な計算通りにならないケースにどんなものがありそうかと考えてみます。(設問に「ひっかけ問題」だぞ、て書いてあるので)

やっぱり絵は、いるよなあ。

↓こんな立体でしょ。

三角錐と四角錐(正四面体)

↓グレーのところを貼り合わせる

三角錐と四角錐(正四面体) グレーの箇所を貼り合わせる

これが七面体にならないとしたら・・・

・・・隣り合う2面がなす角度が180度となって、結果的に1面となってしまうところがある、とか?

つまり、↓この、赤線のなす角度と、青線のなす角度を足すと、180度になるのではない
か、という仮説が立てられます。

三角錐と四角錐(正四面体) 隣り合う面のなす角度を調べる

余弦定理を使って求めてみます。

まず、四角錐のほう、

余弦定理を使って四角錐の隣り合う面の角度をもとめる

次に、三角錐のほう、

余弦定理を使って三角錐の隣り合う面の角度をもとめる

θは鈍角(π/2<θ<π)、φは鋭角(0<φ<π/2)ですね。

両者の絶対値が同じで、符号が逆ということは、θ + φ = 180°となることが分かります。(下図)

余弦の和がゼロになる場合、角度の和は180度

同様の関係にある面のペアがもう1組ありますので、

7面 - 2面 = 5面

できあがる図形は5面体である、というのが答えです。

エレガントな問題解決 ―柔軟な発想を引き出すセンスと技
エレガントな問題解決 ―柔軟な発想を引き出すセンスと技

2016年12月14日 (水)

「エレガントな問題解決」演習問題 2.1.27(a)の解答(5つの10年区切りを生きたマーサの年齢)

オライリーの書籍「エレガントな問題解決」の、私なりの解答シリーズです。(本には解答が載っていない)

演習問題 2.1.27(ひっかけ問題)(a)
ある日マーサが「10年を一区切りとすると、私は5つの区切りにまたがる期間を生きてきた」と言った。彼女の年齢に最も近い年数を答えるとき、その最小値はいくつになる可能性があるだろうか。

70年代とか、80年代とか、そういう期間を5つ「生きてきた」(多少なりともかかる)という題意だと理解。

1990年代を「生きてきた」というためには、1999年12月31日に生まれていればOK。

この人が、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代、2030年代を生きたと言うためには、2030年1月1日になっている必要がある。

つまり、下記を過ごした時の年齢を求めればいい。

  1999年12月31日 → 2030年1月1日

何歳だ?

暗算(?)が苦手な私は書き出してみる。

迎えた誕生日は・・・

  1999年12月31日(0歳)誕生
  2000年12月31日(1歳)
  2001年12月31日(2歳)
  2002年12月31日(3歳)
        ・・・
  2028年12月31日(29歳)
  2029年12月31日(30歳)
  2030年 1月 1日(30歳)「5つの区切りに~」と語る

という感じですね。

年数の下2桁に1足せば年齢になるんですが、ポイントは、2030年の誕生日はまだ迎えていないというところですね。

ということで、最小値は30歳というのが答えだと思います。

あとは蛇足です。

私は最初、「私は5つの区切りにまたがる」というのを、
  「1990年代と2000年代の区切り」をまたがる
  「2000年代と2010年代の区切り」をまたがる
  「2010年代と2020年代の区切り」をまたがる
  「2020年代と2030年代の区切り」をまたがる
  「2030年代と2040年代の区切り」をまたがる
と解釈し、答えは40歳だと思ったのですが、さすがにこの出題は不自然かなと考えました。

あと、マーサって名前が、なんとなく、年を取っているイメージ(昔話のお婆さんとか)なのは私だけ?

ちなみに、高橋真麻(35歳)が生きたのは、1980年代、1990年代、2000年代、2010年代の4つとなります。

そして、テレ東の北村まあさ(28歳)が生きたのも、上記と同じ4つの年代だったりします。

さて、マーサの年齢がとりうる年齢の最小値は30歳でしたが、では最大値はいくつでしょう?

なんてバリエーションの出題もできそうですね。

これについては読者の演習として残しておく。(教科書的な書籍の決まり文句)

エレガントな問題解決 ―柔軟な発想を引き出すセンスと技
エレガントな問題解決 ―柔軟な発想を引き出すセンスと技

2016年11月17日 (木)

「エレガントな問題解決」演習問題 2.1.25の解答(分母が3つの項の積になっている数列の和)

オライリーの「エレガントな問題解決」より

P28 演習問題 2.1.25

例1.1.2では、

1

のように予想した。ここでは、分母が3つの項の積になっているような和について、実験し、一般形を予想せよ。また、さらに類似の問題を作って解きなさい。

例1.1.2では実際にn=4まで和を計算し、そこから一般形を予想していました。

でも、実際は多くの人にとっては、↓こちらのやり方の方が馴染みがあるんじゃないでしょうか。(大抵の人が使った教科書に載っていたんじゃないかと思います)

2

部分分数に分解すると、途中の項がばっさりと相殺されるという、なんともうまい式変形です。

こんな感じでできるんじゃないかという「希望的観測」を私は持ちました。

出題者を指示には合わないですが、このやり方もそれなりにエレガントだと思いますし、あとから分かりますが、「実験し、一般形を予想」するのはかなり難しいんじゃないかという気もしますし。

ということで、

3

4

のような形に分解すると、aかbかcのうち負のものがあって、いい感じに相殺するような形になることを期待します。

a、b、cは機械的に求めるには、上記の式を淡々と計算して・・・

5

分子は1にならなきゃいけないので、

6

という方程式ができあがります。

つまり、

7

が恒等的に(任意のnについて)なりたつ必要があるので、

8

の連立方程式を解いて、

9

が得られます。

つまり、設問の「分母が3つの項の積になっているような和」は以下のように変形でき、

分母が3つの項の積になっている数列の和

真ん中のところはいい感じに相殺され、残った項を計算すると、
11

が得られました。

さて、この式、「実験し、一般形を予想」できそうでしょうか? 私はちょっと自信がないです。

↓こちらのかたは、

『エレガントな問題解決』3 - 踏み台世界

「約分を中途半端に止めることで規則性」を見つけ、分子・分母とも、差分が等差数列になることを見出してますが、正直、自分はこれには気付けそうにないです・・・

エレガントな問題解決 ―柔軟な発想を引き出すセンスと技
エレガントな問題解決 ―柔軟な発想を引き出すセンスと技

2016年11月15日 (火)

「エレガントな問題解決」演習問題 2.1.22の解答(コーヒーとミルクの割合)

オライリーの「エレガントな問題解決」より

P28 演習問題 2.1.22
瓶Aには1リットルのミルクが、瓶Bには、1リットルのブラック・コーヒーが入っている。BからAに少しだけ注ぎ、よく混ぜてから、AからBに両方が1リットルになるまで注ぎ返す。Aに入っているコーヒーの割合と、Bに入っているミルクの割合の関係はどのようなものだろうか。

エレガントでない解き方

注いだ量(=戻す量)をxと置く。

途中の状態で瓶Aに入っているのは、ミルク1リットルとコーヒーxリットル。

最後の状態で瓶Aに残るコーヒーは、上記のコーヒーの量から、戻す量に含まれるコーヒーの量を引けばよい。

そして、最後の状態で瓶Bに入るミルクは、戻す量に含まれるミルクの量になる。

エレガントでない解答(コーヒーとミルク)

ということで、両者が同量であることが分かりました。■

でも、これが著者の期待するエレガントな解答だとは思えませんよね。もっとシンプルな考え方で解けるんじゃないかと。

エレガントな解き方(自称)

最後の状態を図示してみると、↓こんな感じです。

エレガントな解答(コーヒーとミルク)

(Aに入っているコーヒー)と、MB(Bに入っているミルク)が同じ量にならなきゃいけないことが、なんとなく分かりません?

自明だとは思えない場合は、数式にしてみると納得いくと思います。

最後の状態で瓶Aの総量は1リットルなので、

  C+M=1 ・・・(1)

ミルクの総量は1リットルなので、

  M+M=1 ・・・(2)

(1)から(2)を引くと、

  C-M=0

つまり

  C=M

となります。

・・・という解答はいかがでしょうか?

エレガントな問題解決 ―柔軟な発想を引き出すセンスと技
エレガントな問題解決 ―柔軟な発想を引き出すセンスと技

2016年11月10日 (木)

「エレガントな問題解決」演習問題 2.1.23の解答(インディ・ジョーンズと灯りとつり橋)

さっそく、↓こちらの演習問題から。

オライリーの数学本「エレガントな問題解決」: 主張

設問は下記です。冗長なのは雰囲気を出すため?

P28 演習問題 2.1.23
インディ・ジョーンズとその仲間たちが何キロメートルもの峡谷に掛かる、不安定なつり橋を渡ろうとしている。あたりは暗く、灯り無しに橋を渡ることはできない。さらに、橋は脆く、人間を2人までしか支えることができない。一行はあまり明るくない灯りを1つだけ持っており、2人で渡ろうと思ったら、一緒に渡る必要があり、それも遅い者に合わせなくてはならない。インディ・ジョーンズは5分で渡れるが、彼の女友達10分かかり、彼の父は20分、彼の父の相棒は25分かかる。後ろには悪漢が迫っていて、1時間以内に全員が渡りきらなければならない。どうしたらよいか。

2人で渡って、1人が戻って、というのを繰り返すんだろうなあ、という予想ができそうです。

  インディ・・・ (5)
  女友達 ・・・(10)
  父   ・・・(20)
  父の相棒・・・(25)

とういことで、インディが5分で最速なんだから、彼に何度も動いてもらって・・・、とやるとうまくいかなかったりします。

下記、うまくいかない例

  (5)と(10)渡る 10分
  (5)戻る     5分
  (5)と(20)渡る 20分
  (5)戻る     5分
  (5)と(25)渡る 25分

と、計65分となってしまう。

この手のパズル的な問題は他でも見たような記憶があります。

ポイントは、遅い人に合わせることになるので、差が小さい人たちをペアにすることでしょうか。当たり前ですが。

そして、一度渡りきっていて、もう動かさないだろうという人に、再度働いてもらう、みたいなところも盲点だったりします。(今回の4ステップ目は自明ですが)

ということで、↓これでうまくいくはずです。

  (5)と(10)渡る  10分
  (5)戻る     5分
  (20)と(25)渡る 25分
  (10)戻る    10分
  (5)と(10)渡る  10分

これだと、ぎりぎりの計60分です。

答えを見てしまうと、とても簡単。でも、誰もが一回はひっかかりそうになるという、問題でした。

エレガントな問題解決 ―柔軟な発想を引き出すセンスと技
エレガントな問題解決 ―柔軟な発想を引き出すセンスと技

2016年11月 9日 (水)

オライリーの数学本「エレガントな問題解決」

本は滅多に買いません。まず図書館で借りて、読み終わるか期限が来るかして、返して、そのあと「やっぱり、この本が欲しい」と思ったものだけ買っています。年に数冊あるでしょうか。

その1冊が↓これでした。

エレガントな問題解決 ―柔軟な発想を引き出すセンスと技
エレガントな問題解決 ―柔軟な発想を引き出すセンスと技

タイトルだけ見ても何の本だか分かりにくいと思います。数学における「問題解決」なんですよね。

原題は "The Art and Craft of Problem Solving" なので、邦題よりは伝わりやすいかも。それでも、数学(Mathematics)という言葉は出てこないですよね。直訳すると「(数学の)問題を解く上での、技術、技巧、技能」という感じでしょうか。

"Art" も "Craft"も日本語に訳すのは難しそうですね。芸術が "art" なのは馴染みがあるとして、武道も "art" だもんなあ("martial arts")。

なので、「エレガント」にしたのでしょうか。このへんは個人差もあると思いますが、エレガントという響きにエレガントさを感じない人も結構いるのではという懸念も。

仕事で使っているわけじゃないけど、数学が好きって人は多いと思います。そういう人って、問題を解くのが好きだったりするので、ある特定の分野(「線形代数」とか「微分積分」とか)の書籍よりも、「問題の解き方」という切り口や分類で書かれたこの本のコンセプトが刺さるんじゃないかと思います。

この本の特徴は、演習問題の解答が載っていないこと。

なので、↓こんな感じの議論に発展したりする。(本文ではなくコメントでの盛り上がりぶりを参照のこと)

「エレガントな問題解決」の解答が判らない | okkyの日記 | スラド

from p.28
2.1.21 嫉妬深い教授たちが・・・

の演習問題についての深読み具合が、なんだかおかしくなっています。

「自分の給料についての情報以外の情報は何も得ずに」という条件を厳密に捉えて、「(この条件では)平均を求めることは出来ない」っていう解答を書き込んでいたりして。

もうね、みんな考えすぎ。

最初の方に載っている演習問題だし、そんなにひねった解答は要求されていないと思う。ブログ記事の著者さんの答えでも十分なんだと思う。ただ、著者が意図した、もうちょっと単純なやり方はあるんだろうけど。

まあ、そういうのも含めて、正解を得ることよりも、解こうとして考える過程が大事なんだっていう、本書のコンセプトにピッタリのリアクションだったりしますけど。そういう意味でも、やっぱり良書ですなあ。

2016年7月 2日 (土)

「事故物件サイト・大島てるの絶対に借りてはいけない物件」と「大島てるが案内人 事故物件めぐりをしてきました」

↓この2冊を読んでみました。

事故物件サイト・大島てるの絶対に借りてはいけない物件
事故物件サイト・大島てるの絶対に借りてはいけない物件

大島てるが案内人 事故物件めぐりをしてきました
大島てるが案内人 事故物件めぐりをしてきました

前者の「絶対に借りてはいけない物件」の方は実用書という感じ。事故物件だけでなく、こういう物件は避けた方がいいといういろいろな情報が得られます。ただ、事故物件のエグいところの話を読みたいという人にはもの足りないかも。

で、私のように野次馬的な興味でこの手のものを読みたいという人は、後者の「事故物件めぐりをしてきました」の方が近いかもしれません。

目次を見ると、

【徹底目張り物件】
死体発見翌日の事故物件に行ってきた!

【死臭充満&ハエ飛び回り物件】
真夏の死体発見翌日の事故物件に行ってきた!

と、ノリが下衆でいいですね。

1件目では特別な匂いは感じられず不発。

でも、2件目では、死臭を感じられたり、大きいハエを見たりと成果あり。

って、なんだよこの取材。

3つ目のトピックは、事故物件に住んでいるという人を取材。自殺のあったという浴室や、そこで首を吊ったんではないかという配管の写真があります。

で、お気づきだと思いますが、そういう写真って別に普通で、なんてことないものなんですよね。事故物件を訪ねたからと言って、そこに死体が転がっているわけでもなく、そんなに面白いことは起こらない。

著者もそのへんは分かっているのか、そのあとは「事故物件めぐり」はやめて、関係者への取材がメインになります。事故現場の立会い経験豊富な警察OBの話とか、ハウスクリーニング業者でその手の片付けに割り当てられてしまった経験のある人の話とか、なかなかディープです。

そういう、恐いもの見たさみたいな話は別としても、事故後二代目以降の住人には告知しなくてもよしとする不動産業界の慣習などは知っておいたほうがいいですね。借りる側の常識とは、かけ離れていますから。

やっぱり借りたり買ったりする前に、「大島てる」で調べるっていうのは必須作業ですね↓

賃貸物件探しの際は、事故物件サイト「大島てる」を活用しよう: 主張

こういうサイトの情報が充実することが、借りる側の自己防衛(避ける、安く借りる)する、いい手段になると思います。

事件現場清掃人が行く (幻冬舎アウトロー文庫)
事件現場清掃人が行く (幻冬舎アウトロー文庫)

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